足が長いほどジャンプ力が高くなる?ジャンプ力を高める方法とは

身長を伸ばすためには骨に刺激を与える必要があります。特に骨に大きな刺激を与える事ができる方法が「ジャンプ運動」です。この記事ではそんな「ジャンプ力を高める方法」について簡単にまとめています。ご興味のある方は「続きを読む」よりどうぞ。尚、当ブログは長文記事が多いのですが、その中でも当記事はかなりの長文になっています。

★当記事の目次

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★伸張反射を利用してジャンプ力を高める

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、「伸張反射」とは、筋肉や腱が勢い良く伸ばされた時、反射的に縮もうとする機能の事を言います。例えば不意に転んで筋肉や腱が勢い良く伸ばされてしまった場合、伸ばされる際の勢いによっては、筋肉や腱の組織が縦や横に激しく裂けてしまう事があります。しかし伸張反射ではその「伸ばされた」という情報を伝達し、それをきっかけにして反射的に筋肉を収縮させ、筋肉や周囲の組織を守る役割があると言われています。

では、この伸張反射が何故ジャンプ力に関わるのか?について説明します。例えば静止させた状態から勢いをつけずに筋肉を収縮させる場合、まず筋肉が収縮し、その筋肉に腱が引っ張られ、更にその腱が骨を引っ張る事で関節が動きます。つまりそのような筋肉の収縮では、筋肉→腱→骨と順番に力を伝達する必要があり、関節を動かすまでに若干のラグが生まれてしまいます。一方、伸張反射では筋肉が勢い良く伸ばされた際、反射的に収縮するため、意識的な収縮なしで直接骨へ力を伝える事ができます。その際に発揮できる筋力は大きくはありませんが、その反射的な収縮が生み出した勢いが最初のきっかけになり、それが意識的な収縮を行う際の反動になります。そうして反射的な収縮と意識的な収縮が上手く連動する事で、力の伝達がスムーズになり、ロスなく大きな筋力を発揮する事ができます。これをジャンプ力に利用する訳です。

ちなみにこの「伸ばされる→縮む」というサイクルの事は「ストレッチ・ショートニング・サイクル(SST)」という言い方をする事もあります。またそのような「伸ばされる→縮む」を利用し、瞬発力を高めるようなトレーニングの事を「プライオメトリクス・トレーニング」と言います。



★膝を勢い良く曲げ、伸張反射を起こす

例えばその場で上に向かって跳ぶ「垂直跳び」では、一旦膝を曲げ、それに合わせるようにして少し上半身を前傾させ、腕を後ろへ振り上げ、その腕を下から上へ振り上げるのと同時に膝を伸ばし、それと同時に足の裏で地面を蹴る事で上へ飛びます。伸張反射を利用する場合、そうして一旦膝を曲げる時、できるだけ素早く膝を曲げる必要があります。そうして膝を素早く曲げると、太ももの表側にある大腿四頭筋が勢い良く伸ばされ、その勢いで伸張反射が生まれます。伸張反射が生まれるとそれが反動になり、続く意識的な大腿四頭筋の収縮がスムーズにできます。これにより、より素早く膝を伸ばす事ができます。

ただしこの時、あまりに膝を深く曲げてしまうと、膝を曲げた状態から伸ばし切るまでの時間が長くなるため、反射的に起こる伸張反射から意識的な収縮へのスムーズな移行が難しくなります。すると伸張反射の勢いが大腿四頭筋によって吸収され、「勢いをつけずに筋肉を収縮させる」要素が大きくなり、効率良く筋力を発揮する事ができなくなってしまいます。つまり膝を曲げる際には、勢い良く曲げ、かつ膝を浅めに曲げる必要があります。



★素早い伸張反射に耐えうる基本的な筋力・柔軟性

助走スピードを高めるほど膝は素早く曲がり、膝が素早く曲がれば、大腿四頭筋も勢い良く伸ばされます。つまりジャンプ力を高めるためには、助走スピードを高める事が重要になります。

しかしやはり膝を深く曲げすぎると上手く伸張反射が起こらず、意識的な収縮への移行が難しくなります。特に助走スピードが速くなればなるほど、自分の体重で作る事のできる勢い以上の勢いで大腿四頭筋が伸ばされる事になります。そのため、勢いによっては伸張反射が起こる以前に、大腿四頭筋がその伸ばされる勢いに耐えられず裂けてしまう事があります。よって助走スピードを高めて膝を勢い良く曲げ、伸張反射を利用した効率の良いジャンプを行うためには、大腿四頭筋の基本的な柔軟性や筋力も重要になります。大腿四頭筋を鍛える方法としては、例えばスクワット、ブルガリアンスクワット、フロントランジ、レッグエクステンションなどがあります。

尚、「柔軟性」とは、単に筋肉が柔らかいという事だけではありません。何故なら筋肉が柔らかすぎると、筋肉を伸ばす際の勢いが吸収されてしまうからです。つまり勢いをバネのように跳ね返すような弾力性も柔軟性の一部として必要であり、それを高めるようなトレーニングも必要になります。

例えばドロップジャンプ、ボックスジャンプ、ゴム跳びなどのような「ジャンプあるいは高い場所から降りて着地した後、瞬時にジャンプするトレーニング(マサイ族のようなその場ジャンプをイメージすると分かりやすい)」で弾力性を高める事ができます。前述のように、そのようなトレーニングの事をプライオメトリクストレーニングなどと呼びます。尚、ジャンプは全身運動なので、実際は上半身と連動させるようなトレーニングも必要になります。一方、伸張反射の仕組みを理解していれば、ジャンプという特定の動作だけでなく、例えば腹筋だけ、あるいは背筋だけなど、特定の筋肉だけでプライオメトリクストレーニングを行う事も可能です。



★助走スピードを高め、膝を勢い良く曲げる

伸張反射を起こすためには膝を素早く曲げ、一旦大腿四頭筋を勢い良く伸ばす必要があります。しかしそうして膝を素早く曲げるためには単純に助走スピードを高める必要があり、素早い助走を行うための基本的な瞬発力が必要になります。つまり足が速ければ速いほど良い訳で、走力を高めるようなトレーニングが必要です。もちろん単純に、速く走るための技術も必要になるでしょう

尚、ここで言う「瞬発力」とは、前述したような基本的な筋力や柔軟性ももちろん、脳から指先までスムーズに電気信号が送られるようなシステムも必要になります。助走と言っても、助走を始める最初の時点では何も勢いがありませんよね。何もない所から助走のスピードを生み出すためには基本的な瞬発力、そしてそれを鍛えるようなトレーニングが重要なのです。

例えばウェイトトレーニングではクイックリフトのように、通常のトレーニングを低負荷で素早く筋肉を収縮→伸展(伸ばす事)させるように行う事で鍛える事ができます。尚、そのように筋肉を素早く動かすようなスピードトレーニングは、最大重量が増える事で、扱う事のできる重量が増えます。そのため土台となる通常の筋肥大・筋力アップのためのトレーニングも合わせて行う必要があります。筋肉をつけると体が重くなるだとか、硬くなるだとか、怪我をしやすくなるだとか、もうそういう時代ではないのです。

その他、音を合図に素早く動く、ラインタッチ、ビーチフラッグ、ミニハードル、ラダーなど、陸上競技のようなトレーニングも必要でしょう。



★助走の勢いを逃さない・効率の良い体の使い方

助走は前方向へ進みますが、ジャンプは上方向へ進みます。つまり助走とジャンプでは力の伝える方向が異なる訳です。よって例えば踏み切った後で体が前へ流れてしまうという事は、助走の勢いがジャンプ力に上手く変換されていないという事が言えると思います。一方、体が流れないように意識しすぎて、助走のスピードを無理に受け止めようとすると、やはり勢いが吸収されてしまって上手く伸張反射に反映してくれません(体を無理に起こして反らす、膝を深く曲げて勢いを吸収する、筋肉にガッチガチに力を入れる等)。

助走を行う際にはスピードももちろん重要ですが、例えば助走中の歩数や歩幅、どのような形で助走に入るか、どちらの足から助走に入るか、どちらの足で踏み切ってジャンプするか、踏み切る際の左右の足の位置やタイミングなど、「効率の良い体の使い方」が必要になってくるでしょう。それはバレーボールだったりバスケットボールだったりハンドボールだったりと、競技によって大きく異なるため、その競技に適した体の使い方を習得する事が重要になります。その他、腕を回すとか、そういう余計な動作も省く必要があるでしょう。



★ふくらはぎの筋肉とアキレス腱

素早く膝を曲げた際には、実は足首も一緒に曲がっており、ふくらはぎにある腓腹筋、ヒラメ筋、アキレス腱が勢い良く伸ばされています。前述してきたように伸張反射は太ももの筋肉である大腿四頭筋やその腱が重要なのですが、これらの筋肉も勢い良く伸ばされる事で伸張反射を起こし、意識的な収縮に繋げる反動にする事ができます。

特にアキレス腱の弾力性は重要で、アキレス腱が強靭なほど、ジャンプ力が高くなりやすいと言われるほどです(アキレス腱が強靭であればあるほど、助走で生まれる大きな衝撃を受け止める事ができる。もちろんこれは大腿四頭筋でも同じ事)。よって下腿の筋肉の基本的な筋力及び柔軟性(弾力性)を高めるようなトレーニングも当然必要になってくるでしょう。鍛える方法としてはカーフレイズやシーテッドカーフレイズ、あるいは前述したその場でジャンプするドロップジャンプなどがあります。



★意識的な収縮を行うための基本的な筋力・柔軟性

前述したように素早い伸張反射を行うためには、それに耐えうるような大腿四頭筋の基本的な筋力や柔軟性が重要になります。また伸張反射が起こった後には、意識的に大腿四頭筋を収縮する必要があるので、その際にも大腿四頭筋の基本的な筋力は必要です。更に、足の裏で床を蹴って膝を伸ばすためには、お尻にある大臀筋が収縮する必要があるため、大臀筋の基本的な筋力を高めるようなトレーニングも重要です。大臀筋を鍛える方法としては例えばヒップスラスト、バックキック、ヒップエクステンション、ヒッブアダクション、プローンレッグレイズ、ブルガリアンスクワット、踏み台昇降などがあります。

一方、大腿四頭筋がスムーズに伸ばされるためには、その大臀筋がスムーズに伸ばされる必要があります。また大腿四頭筋がスムーズに収縮するためには、太ももの裏側にあるハムストリングスがスムーズに伸ばされる必要があります。つまりハムストリングスや大臀筋の柔軟性を高めるようなトレーニングあるいはストレッチも必要になるという事です。

尚、前述のように伸張反射を利用する事が重要なので、伸張反射が起こる前から意識的な収縮をしては意味がありません。高く飛ぼうとした時、どうしても飛ぶ前からガッチガチに筋肉に力を入れてしまいがちです(足だけでなく顎を噛み締めたり、首の根元に力を入れたりなど)。また筋力が大きくなってくると、その筋力に頼った体の使い方をしてしまう人も多いです。そのような状態では、いくら筋肉が勢い良く伸ばされたとしても、意識的な収縮が伸張反射を邪魔してしまいます。いかにして筋肉をリラックスさせた状態で助走を行い、筋肉を勢い良く伸ばす事ができるか、またその後に起こる伸張反射から、いかにして意識的な収縮へスムーズに繋げる事ができるか、その感覚を掴む事ができるまで、日々練習が必要です(緊張などその時の精神状態も大きく関係するため、イメージトレーニング・メンタルトレーニングも重要)



★広背筋と三角筋の基本的な筋力・柔軟性

ここまでは主に太ももの筋肉について話してきましたが、垂直跳びに関する説明にもあるように、膝を曲げる際には腕を後ろへ振り上げ、上半身を少し前傾させます。また膝を伸ばす際には腕を下から上へ振り上げ、前へ倒していた上半身を起こします。それをできるだけ素早く行い、膝の曲げ伸ばしと上手く連動させる事ができれば、これも伸張反射→意識的な収縮の移行をスムーズに行うための「勢い」になります。

つまりジャンプ力を高めるためには、背中にある広背筋や肩にある三角筋の基本的な筋力、及び柔軟性を高めるようなトレーニングも重要になるという事です。尚、広背筋を鍛える方法は例えばバックエクステンションやデッドリフトなど、三角筋を鍛える方法は例えばフロント・サイド・リアレイズ、ローイング、ショルダープレスなどがあります。

一方、上半身を前傾させる際には、お腹にある腹筋が収縮(特に下部)されると共に、太ももの裏側にあるハムストリングスが伸ばされています。また上半身を起き上がらせるためには、股関節前面にある筋肉(大腿四頭筋の上部)つまりこれらの筋力及び柔軟性も必要になってきます。



★衝撃を上手く吸収できるような着地

そうして高くジャンプする事ができた場合、着地時には、骨などに自分の体重以上の大きな衝撃が生まれます。その衝撃を吸収せずに着地し続けた場合、その蓄積が様々な怪我に繋がる可能性があります。せっかく今までジャンプ力を高めるために行ってきた事が、怪我をする事で休まざるを得ず、また振り出しに戻ってしまいます。それは避けなければなりません。着地の際には上手く衝撃を吸収できるような基本的な筋力や柔軟性、及びそのような体の使い方が必要になるでしょう。また日常的な生活習慣の改善や、ハードな運動前後では準備運動やアイシングなどのケアも重要になります。筋肉を鍛えるほどケアは念入りに行わなければなりません。



★筋肉を収縮させるために必要な炭水化物・エネルギーシステム

いくら効率の良いジャンプでも、意識的な収縮にはエネルギーが必要です。ここで言うエネルギーとは、筋肉内に蓄える事ができる糖の一種「グリコーゲン」の事です。つまりジャンプ力を高めるためにはグリコーゲンを筋肉内に蓄えておく必要があり、そのための食習慣も重要になります。特に試合前の炭水化物の摂取の仕方については考えなければなりません。

また全力でジャンプし続けた場合、グリコーゲンが消費されてエネルギーが切れていき、またグリコーゲンの消費によって乳酸が作られるため、次第に筋肉の動きが鈍くなっていきます。それが試合中に起こればパフォーマンスの低下に直結します。そのためグリコーゲンの消費を節約するような体の使い方や体のシステム、及び例えグリコーゲンが切れて乳酸ができたとしても、それが素早く改善されるような調整の仕方や体のシステムも必要になります。それを改善するようなトレーニングが重要になるでしょう(敢えて乳酸を溜めるようなハードなトレーニング)。もちろん運動中のエネルギー補給についても考えなければなりません。



★筋肉を効率良く合成するための蛋白質・脂肪

筋肉を大きくするためには、筋肉に対して大きなストレスを与える必要がありますが、実はそのようなハードなトレーニングを行った際には、トレーニングを行っている最中から筋肉の合成・分解は行われています。しかし筋肉へのストレスが大きくなると、分解の方が上回ってしまう事があり、それが起こるとトレーニングを行う度に筋肉が萎んでしまいます。それを防ぐためには運動中からの栄養補給が必要になります。

また運動量と食事量のバランスが合っておらず、食事から得られるカロリーの方が少ない場合、筋肉の合成に関わる酵素の活性が弱まると言われています。これによって省エネ状態に入ると、蓄えていた脂肪を節約しながら使うようになり、エネルギー消費の激しい筋肉の合成を後回しにするようになります。何が言いたいのかというと、効率の良い筋肉の合成にはカロリーが必要であり、カロリー源となる糖や脂肪の摂取が重要になります。



★活動と休養のバランス

筋肉内のグリコーゲンがほぼ完全に消費された場合、回復までに2〜3日程度かかる場合があります。また激しい運動を行った後の筋肉の合成も大抵その程度かかります。それを無視してただハードなトレーニングを毎日続けるだけでは、効率の良いジャンプ力の向上は望めません。動くべき時は動き、休むべき時はしっかり休みましょう。睡眠習慣は言わずもがな、時には完全休養日やチートデイ(数日〜1週間に1度、炭水化物を大量に摂取する)などを設けるのも重要です。



参考記事一覧

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