ω-3脂肪酸とω-6脂肪酸について知っておくべき事

「脂肪」と聞くとネガティブなイメージしかありませんが、実は脂肪の中にも人体にとって必須とされる「必須脂肪酸」というものがあります。特に必須脂肪酸はα-リノレン酸・EPA・DHAという3種類の「ω-3脂肪酸」と、リノール酸・γ-リノレン酸・アラキドン酸という3種類の「ω-6脂肪酸」に分けられ、いずれも最低限の摂取が必要です。ここではそんな必須脂肪酸の役割や摂取方法等について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

★当記事の目次

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★ω-3脂肪酸とは?

必須脂肪酸として知られている「ω-3脂肪酸」には、「α-リノレン酸」「EPA」「DHA」という3つの種類があります。ω-3脂肪酸自体はこれ以外にも種類があるのですが、特にこの3つの脂肪酸が必須脂肪酸です。そのため「ω-3脂肪酸」と言う場合、大抵この3つの脂肪酸を指す事が多いです。

これらω-3脂肪酸の役割は、主に「血中のコレステロールの量を調節する事」にあります。俗に「血液サラサラ効果」などと言われますが、そのように血液に流動性をもたらし、血液の流れを良くする役割があると言われています。これにより心臓から遠い場所にある細胞への血流を促す事ができ、栄養をスムーズに供給する事ができます。またそれにより血管の壁への負担も軽減する事もでき、血管の健康を維持するためにも重要です。


●α-リノレン酸の役割について簡単に

α-リノレン酸は後述するω-6脂肪酸に対して抑制的に働く作用があり、リノール酸やγ-リノレン酸がアラキドン酸へ代謝される事を抑制し、それをコントロールする役割があると言われています。特にアラキドン酸は「ロイコトリエン」という炎症やアレルギー反応に関わる重要な物質の材料になります。このロイコトリエン自体は人体にとって必要不可欠なものですが、これが過剰になると、炎症やアレルギー症状を悪化させるという事が言われています。α-リノレン酸はそれを制御するために非常に重要なものです。

尚、このα-リノレン酸は体内で、同じくω-3脂肪酸であるEPAやDHAへと変換する事ができ、その元になります。つまりα-リノレン酸を摂取すれば、EPAとDHAを補う事ができます。ただしα-リノレン酸からEPAやDHAへの合成効率は低く、一説によれば1割程度しかないとも言われています。このためα-リノレン酸の摂取だけでは不十分であり、EPAやDHAはそれぞれ別途摂取する必要があります。


ちなみにα-リノレン酸を多く含む食品としては、例えばアマニ油、エゴマ油、ヘンプオイル(麻の実油)、シソ油、フラックスシード(アマニの実の事)、麻の実、シソの葉などが代表的です。特にα-リノレン酸は酸化されやすいので、食べる直前に料理にかけて食べるのが効率的です。「ω-3脂肪酸」と聞くと、青魚に含まれているイメージが強いのですが、青魚に主に含まれているのはEPAやDHAの方で、実はこのα-リノレン酸はあまり含まれていません。そのためα-リノレン酸を摂取するためには、それらの食品を意識的に食べる必要があります。

また一般的に「脂肪を含む」食品であれば、一応α-リノレン酸も摂取できるのですが、含まれている量が非常に少ないか、全く含まれていないものも多く、効率良く摂取するためにはやはりそれらの食品を利用する必要があります。ただし油の場合、後述のように酸化されやすいため、加熱調理には使えません。食べる直前にかけて食べる事になります。



●EPAの役割について簡単に

血液中の不純物が多くなると、血液がドロドロになり、血管内をスムーズに流れる事が難しくなります。特に高血糖や高脂血症の人ではそれが顕著です。その状態になると流れの速い場所では血管の壁を傷つけてしまったり、血の塊である血栓もできやすくなります。血栓は小さなものであればすぐに消えてなくなってしまいますが、大きなものでは細い血管をつまらせる事があり、細胞の機能を低下させる事があります。また人によっては何らかの原因で、傷ついた血管の壁に酸化した脂肪が沈着し、動脈硬化を起こす事もあり、血栓はそれによって細くなっていた血管も詰まらせてしまう事があります。もしそれが生命活動の維持に必要な臓器の血管だった場合、命に関わる事もあります。

ω-3脂肪酸の一種である「EPA(エイコサペンタエン酸)」には、α-リノレン酸のように血液中のコレステロールの量を調節する役割がある他、特に血液に流動性をもたせる効果、いわゆる「血液サラサラ効果」があり、それによって血液を流れやすくする役割があると言われています。その効果はω-3脂肪酸の中で最も強いとも言われています。もちろんEPAを摂取したからと言って、すぐにそれが病気の治癒に繋がる訳ではありませんが、少なくとも積み重ねによっては、前述したリスクを軽減する役割があるものと思われます。尚、過剰摂取すると、例えば出血をした際、逆に血が止まりにくくなる事があります。そのため「血液サラサラ」と言っても限度はあり、健康に良いからと言って大量に摂取するべきではありません。

ちなみにEPAを多く含む食品としては青魚、及び脂身の多い魚全般が代表的です。特にイクラ(サケの子)に豊富に含まれる他、ボラ、アンコウの肝、ウナギ、サケ、ブリ、マグロ、カツオなどにも多く含まれています。特にEPAは酸化されやすいので生魚が一番効率的です。一方、青魚に関しては食物アレルギーを持っていて、物理的に食べる事ができない場合もあります。人によってはサプリメントからの補給が必要になる事があります。



●DHAの役割について簡単に

ω-3脂肪酸の一種である「DHA(ドコサヘキサエン酸)」にも、血液中のコレステロールの量を調節する役割がある他、そのように血液を流れやすくする役割があります。またDHAは脳内に豊富に存在し、神経伝達にも関与しているとされており、特に成長期における脳の発達に必要だと言われています。その他、DHAは眼球内にある網膜にも存在しており、細胞の酸化・劣化を抑えてくれる役割があると言われています。

尚、高濃度のDHAを摂取する事による作用については、具体的に分かっている訳ではありません。DHAを摂取する事では、俗に「知能が上がる」「視力が上がる」などと言われる事もありますが、それはおそらく加齢などによる細胞の酸化及び劣化を緩やかにする作用によるものであり、物理的に知能が上がったり、視力が上がる事はないと思われます。過度な期待はすべきではありません。

ちなみにDHAを多く含む食品としてはやはり青魚、及び脂身の多い魚全般が挙げられます。アンコウの肝、イクラ(サケの子)、サバ、カツオ、マグロ、ボラ、サンマ、ブリなどが代表的です。日本は島国のため、日本人は比較的摂取機会に恵まれていると思われますが、定期的に食べた方が良いでしょう。特にDHAは酸化されやすいので生魚が一番効率的です。一方、食物アレルギーを持っていて食べる事ができない場合もあり、人によってはサプリメントからの補給が必要になる事があります。



★ω-6脂肪酸とは?その役割について簡単に

「ω-6脂肪酸」には「リノール酸」「γ-リノレン酸」「アラキドン酸」の3種類があります。ω-6脂肪酸自体はこれ以外にも種類はあるのですが、特にこの3つの脂肪酸が必須脂肪酸です。そのため「ω-6脂肪酸」と言う場合、この3つの脂肪酸を指す事が多いです。

いずれのω-6脂肪酸も、ω-3脂肪酸と同じように、血液中のコレステロールの量を調節する役割があると言われています。一方、ω-6脂肪酸の中でも、特にアラキドン酸は「ロイコトリエン」というアレルギーや炎症反応に関わる重要な物質の材料になります。だからこそ「必須」なのです。メディアではω-3脂肪酸の方を「健康に良い」などとして紹介する事も多いのですが、役割としてはω-3脂肪酸よりもω-6脂肪酸の方が重要、また必要量もω-3脂肪酸よりω-6脂肪酸の方が多いです。

ただしこのアラキドン酸が増え過ぎると、アレルギーや炎症を起こした時、ロイコトリエンが増え、それによるアレルギー反応が強く出るようになる事があります。そのため確かに「必須脂肪酸」ではあるのですが、摂取量によっては健康を害してしまう可能性があります。ただ、繰り返しになりますが、ω-6脂肪酸も「必須脂肪酸」であり、ω-3脂肪酸を意識的に摂取するだけでは心身の健康は維持できません。前述のようにω-3脂肪酸はω-6脂肪酸に対して抑制的に働く作用があるので、ω-3脂肪酸を意識的に摂取した上で、ω-6脂肪酸の方も不足しないように努める必要があるでしょう。


ちなみに前述したω-3脂肪酸の方は、油のように高濃度で抽出しているもの以外、過剰摂取の心配は殆どありません。一方、ω-6脂肪酸の方は「脂肪が豊富に含まれている食品」であれば大抵含まれており、現代人が口にする加工食品の多くがω-6脂肪酸の摂取源になっています。そのためω-6脂肪酸の量を適量に抑えるためには手料理の徹底、及び必須脂肪酸以外での低脂肪の徹底が必要になります。ただしあまりに「低脂肪」を徹底してしまうと、そのようにω-6脂肪酸が不足してしまう可能性もあります。もしω-3脂肪酸を意識的に摂取し、それ以外では余計な脂肪を摂取したくない場合、ω-6脂肪酸を豊富に含むナッツ類や大豆製品を食べると良いでしょう。そうすれば過剰摂取の心配は減ります。



★必須脂肪酸は酸化されやすい?効率良く摂取するには

脂肪酸は分子の結合の仕方によって「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分類する事ができ、ω-3脂肪酸とω-6脂肪酸はどちらも「不飽和脂肪酸」に分類されます。特にこの不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸と比べると非常に不安定で、熱に弱く、酸化されやすいという特徴があります。それ故、必須脂肪酸を豊富に含む食品を意識的に食べていたとしても、実際にはあまり効率良く摂取できていない事があります。

よって不飽和脂肪酸であるω-3脂肪酸とω-6脂肪酸を効率良く摂取するためには、熱、光、外気などにできるだけ触れさせないよう、保存の仕方に工夫する必要があります。最近では真空の容器に入っていたり、抽出する際に熱をあまり使わない製法で作られた商品があるため、それを利用すると良いかもしれません。尚、真空の容器でない場合、一度開封し、外気に触れさせたら、賞味期限や消費期限よりも早めに消費する必要があります。余ったとしても古くなったら捨てて新しく買い直し、不飽和脂肪酸の酸化・劣化を防ぎましょう。

またそのように熱に弱いので、加熱調理もできるだけ避ける必要があります。つまり効率良く摂取するためには生食が最もオススメです。例えばω-3脂肪酸を豊富に含む魚なら寿司、アマニ油のような油なら食べる直前にかけて食べると良いでしょう。一方、ω-6脂肪酸の場合、摂取源が多いのであまり気にしなくても大丈夫です。ナッツ類と大豆を食べましょう。


ちなみに不飽和脂肪酸が酸化されやすいのは実は体内でも同じです。このため例えば必須脂肪酸のバランスが崩れてどちらか一方が余ったり、あるいは何らかの原因で活性酸素が増えたりすると、ω-3脂肪酸やω-6脂肪酸が酸化され、「過酸化脂質」になってしまう事があります。特に過酸化脂質は酸化ストレスの元になり、蛋白質の正常な合成を妨げると言われています。これは避けなければなりません。

このため不飽和脂肪酸であるω-3脂肪酸及びω-6脂肪酸を意識的に摂取する場合、例えばビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、セレン、カロテノイド、ポリフェノールなど、抗酸化作用を持つとされる栄養素を一緒に摂取した方が良いでしょう。また脂肪の代謝を補助するビタミンB群やマグネシウムなどの摂取も重要です。更に食習慣以外では、例えば運動習慣の改善、紫外線を避ける、長時間の空腹を避ける、あるいはストレスコントロールをするなどの事も重要になります。つまり不飽和脂肪酸の酸化を真に防ぐためには、生活習慣全体の見直しが必要になるでしょう。



★必須脂肪酸に関するオススメの商品・サプリメント

ここでは必須脂肪酸を補給する事ができる商品・サプリメントを紹介しています。

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アマニ油(フラックスシードオイル)

これはω-3脂肪酸の一種であるα-リノレン酸を豊富に含むアマニ油(エゴマ油・シソ油・ヘンプオイルなどでもOK)です。アマニ油に含まれているα-リノレン酸の比率は6割程度なので、100gのアマニ油にはだいたい60g程度のα-リノレン酸が含まれています。α-リノレン酸の摂取量の目安は1日に2〜3g程度と言われているので、アマニ油から摂取する場合、1日5g前後を利用すると良いと思われます。1回1〜2g程度を目安に、毎食時に分けて摂取すると良いでしょう。人によってはお腹が緩くなる事があるため、体の反応を見て各自量を調節すべきです。

尚、前述したようにω-3脂肪酸は酸化しやすく熱に弱いため、このアマニ油は加熱調理には使えません。基本的に食べる直前に料理にかけて食べたり、あるいは飲み物に混ぜて飲むという形になります。一方、これだけではDHAやEPAが不足する可能性もあるので、青魚あるいは別途下記のようなサプリメントを利用すると良いでしょう。

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Now Foods ウルトラオメガ3

これはω-3脂肪酸であるDHAとEPAを補う事ができるサプリメントです。前述のようにα-リノレン酸から体内で変換する事もできますが、その合成効率は悪いため、DHAやEPAを豊富に含む魚を食べる習慣のない人では、意識的な摂取が必要になります。このサプリメントの場合、1日1〜2粒を目安に摂取すると良いでしょう。



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