ビタミンAの作用は?摂取方法について考える

ビタミンAには強い抗酸化作用があり、特に皮膚や粘膜の健康維持に必要不可欠なビタミンです。しかし脂溶性ビタミンのため、過剰摂取のリスクがあるとも言われています。ここではそんなビタミンAの役割と、摂取する際の注意点などについて私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

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★当記事の目次

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ビタミンAの役割について簡単に

ビタミンAにはビタミンCやビタミンEと同じく抗酸化作用があるとされており、活性酸素の異常な増殖を防ぎ、細胞を酸化ストレスから保護したり、あるいは脂肪の酸化を抑えてくれる役割があると言われています。この事から抗酸化ビタミンの一つとしても数えられており、細胞の酸化・劣化を抑え、正常な新陳代謝をサポートします。

また特にビタミンAは「粘膜の健康維持」に関わるビタミンとして知られており、俗に「目に良い」などと言われる事があります。これはビタミンAが視細胞の構成要素の一つになっているからで、そのためにビタミンAは人体にとって必須です。もちろんビタミンAを摂取する事で、物理的に視力が向上するなんて事はあり得ませんが、少なくとも摂取による積み重ねは、「視力の維持」のためには必要不可欠だと思われます。



★レチノールとβ-カロテンについて

そんなビタミンAですが、実は大きく2つの種類に分ける事ができます。それが「レチノール」と「β-カロテン」です。ここではそれぞれの特徴について簡単に説明していきます。


●レチノールとは?

ビタミンAとしての効力を発揮する時には、このレチノールが優先的に利用されると言われています。これは単純にレチノールの方が、β-カロテンよりもビタミンAとしての効力が強い上に、変換する必要がなく、そのままスムーズに利用する事ができるからです。またレチノールは「脂溶性ビタミン」なので、脂肪と一緒に一定期間体の中に蓄えておく事もできます。そのため定期的に摂取していれば、基本的に不足する心配は少ないビタミンとも言われています。

更にレチノールはそのように油、すなわち脂肪に溶けやすいので、脂肪と一緒に摂取する事で吸収率が高まります。特にレチノールを豊富に含むのは「脂肪を豊富に含む動物性の食品」なので、そのままでも効率良く摂取・吸収する事ができ、元々の吸収率も良いと思われます。一方、低脂肪の食品と一緒に摂取する場合も、調味油を使って火を通したり、あるいは食べる直前に調味油をかける事で、容易にその吸収率を高める事ができます。

尚、そのように体に蓄えておく事ができる上、脂肪と一緒に効率良く摂取できる事から、食べる量によっては体に蓄積してしまう事があります。例えば卵を何十個も食べるとか、レバーを何十本も食べるとか、まぁこれは極端な例ですが、そのように大量に食べた場合、レチノールでは過剰摂取のリスクが出てきます。自分の必要量を見極める必要があるでしょう。



●β-カロテンとは?

β-カロテンはカロテノイドの一種で、赤や橙など特徴的な色をもたらす色素成分の一つです。β-カロテン以外だと、例えばトマトなどに含まれるリコピン、甲殻類の甲羅やサケなどに含まれるアスタキサンチン、海藻類に含まれるフコキサンチン、柑橘系果物などに含まれるβ-クリプトキサンチンなどがあり、これら全てがカロテノイドです。実はこれらカロテノイドは全体としてビタミンAとしての効力があり、レチノールが不足した際、必要に応じて補われると言われています。つまりレチノールとは違い、必要以上に吸収・利用・蓄積される事がないため、過剰摂取のリスクが低いとも言われています。

ただしβ-カロテン以外のカロテノイドでは、ビタミンAとしての効力が非常に弱いか、あるいは殆ど効力がないものが多いため、それらの中でビタミンAとして機能しているのは実質β-カロテンだけです。一方、ビタミンAとして強い効力を持っているそんなβ-カロテンでも、実はレチノールと比べると「1/12程度の効力しかない」と言われています。何故ならビタミンAとして利用される時、利用できる形に変換する必要があるからです。つまりβ-カロテンを摂取するだけでは不十分であり、ビタミンAとして不足してしまう事があるのです。この事実はあまり知られていません。

ちなみにβ-カロテンなどのカロテノイドは、レチノールと同じくやはり脂溶性なので、脂肪と一緒に摂取する事で吸収率を高める事ができます。また一説によれば、カロテノイドは加熱をした方が吸収率が高まるとも言われています。調味油を使って加熱調理をすると良いでしょう。ただしあまりに高温での加熱だと、逆に酸化してしまうので程々にすべきです。



●β-カロテンだけでは不十分である

以上の事からビタミンAの摂取方法を簡単にまとめてみると、まずレチノールは脂肪を豊富に含む動物性の食品を食べる事で、効率良く吸収する事ができます。脂肪が少ない場合も、調味油を使い加熱調理を行う事で、容易に吸収率を高める事ができます。しかし動物性の食品だけでレチノールを摂取しようとすると、どうしても脂肪やカロリーの過剰摂取、あるいは蓄積しやすいレチノールの過剰摂取が懸念されます。

一方、β-カロテンは植物性の食品に多く含まれている上、レチノールの不足分を補うようにして利用されるため、基本的に過剰摂取の心配はありません。しかしβ-カロテンは利用する際に変換が必要なため、脂肪と一緒に摂取してもレチノールの吸収率及び効力には遠く及びません。そのためβ-カロテンの摂取だけではビタミンAが不足してしまう可能性があります。

よってビタミンAを真に効率良く摂取するためには、「あくまでレチノールとしての摂取を基本とし、その上で一部をβ-カロテンで補う」という事が重要になると思われます。



●ビタミンAの必要量とその単位を考えてみよう

前述のようにビタミンAはレチノールとβ-カロテンのようなカロテノイドに分けられますが、それぞれ利用率が大きく異なります。具体的に言えば、レチノールはほぼそのまま利用する事ができるのに対し、β-カロテンは吸収の際に5/6が失われる上、更にビタミンAとして利用する際の変換で1/2のロスがあります。つまりβ-カロテンはレチノールと比べ、1/12程度しか効力を発揮しません。

例を用いて説明すると、例えばレチノールが1μg含まれる牛レバーと、β-カロテンが12μg含まれるニンジンがあったとします。そのようにニンジンに含まれているβ-カロテンはレチノールと比べて1/12のロスがあるので、例え12μg含まれていても、実際に利用される分は1μgだけです。すなわち牛レバーの1μgとニンジンの12μgは「ビタミンAとしては実質ほぼ同じ量」という事になります。

ここで問題なのは、レチノールとβ-カロテンとではそのように効力に大きな違いがあるので、重さだけで比べてしまうと、「どちらの方がビタミンAの摂取源として適しているか」という事が分かりづらくなってしまいます。そこで用いられるのが「μgRAE(レチノール活性当量)」という単位です。

このレチノール活性当量(μgRAE)は、「レチノールの当量(食品に含まれるレチノールそのままの量:この時点での単位はμgRE)、β-カロテンの当量(食品に含まれている量がμg、それを1/12してμgREとする)、その他のカロテノイドの当量(同じく食品に含まれるμgを1/24してμgRE)、その他のカロテノイドの当量(同じように1/24する)・・・」というように、それらの当量を全てを合計した数値で表されます。こちらを利用すれば「体内でビタミンAを利用するのにはどちらが適しているか」が分かりやすく、ビタミンAを摂取する時、何をどれだけ食べれば良いかという事が分かります。


ちなみに1日に必要なレチノール活性当量は最低でも「600〜900μgRAE程度」、上限は「1500〜2700μgRAE程度」と言われています。しかしそのようにレチノール活性当量はやや計算が面倒なので、算出されていない食品が非常に多いです。そこでビタミンAでは「IU」という単位もあります。こちらは古い単位なのですが、現在でもこちらの方が有名なので「IU」を目にする機会の方が多いです。このIU、実はレチノール活性当量に変換する事ができ、「1IU」がだいたい「0.3μgRAE程度」です。つまりこれを利用すれば「IU」しか分からないような食品でも、レチノール活性当量(μgRAE)が分かります。

まぁそこまで厳密に調べる必要があるか、覚える必要があるのか・・・と言われれば、これは正直必要のないレベルなのですが、特に成長期や妊娠前・中・後、あるいは消費の激しいスポーツ選手などでは、不足しないように管理する事が重要になる場合もあります。一応参考までに。



★ビタミンAを豊富に含む食品について

●レチノールを豊富に含む食品とは

レチノールは主に動物性の食品に豊富に含まれています。特に鳥・豚・牛のレバー、ホタルイカ、ウナギ、ウナギの肝、アンコウの肝、卵、バター、マーガリン、チーズ、生クリーム等が代表的です。特にレチノールは脂溶性ですが、動物性の食品は基本的に脂肪も豊富なので、その意味でも、これらの食品から効率良く吸収・利用する事ができると思います。

もし低脂肪の食品を選ぶのであれば、各種レバー(フォアグラを除く)が良いでしょう。その場合、例えばオリーブオイル、アマニ油・エゴマ油(加熱調理には使えないので注意)、ナッツ類、大豆製品、青魚など、良質な脂肪を含む食品と一緒に食べるようにすると良いと思われます。ただし脂肪では必須脂肪酸のバランス(青魚・アマニ油・エゴマ油などに含まれるω-3脂肪酸と、ナッツ類や大豆などに含まれるω-6脂肪酸)が重要です。単に脂肪の摂取量を増やすだけではデメリットの方が大きいです。その点は注意しましょう。


ちなみにレチノールは卵黄にも多く含まれています。特にハードなトレーニングを行っている人では、例えば生卵を一度に数個まとめて食べるというような事をしている人もいると思いますが、例え必要量が増えていても、前述したようにレチノールの過剰摂取には注意すべきです。またそもそも蛋白質も火を通した方が吸収率が高まるので、生卵はあまりオススメしません。この他、卵黄にはビタミンB群の一種であるビオチンも含まれていますが、このビオチンも火を通す事で吸収率が高まります。もし卵を食べるのであれば加熱しましょう


●β-カロテンを豊富に含む食品とは

β-カロテンを豊富に含む食品としては色鮮やかな緑黄色野菜、特にシソ、ピーマン、モロヘイヤ、ニンジン、ヨモギ、春菊、レタス、ホウレン草、小松菜、ケール、クレソン等が代表的です。特にこれらの食品はβ-カロテンと同じく抗酸化作用があるビタミンC(加熱調理で失われるので注意)や、カルシウムの吸収を促すビタミンKも豊富なので、ビタミンの摂取源として有用です。ただし野菜だけで1日に必要なビタミン補給する事は難しいため、野菜を食べたからと言って他を疎かにすべきではありません。

ちなみにβ-カロテンを豊富に含む食品の中ではニンジンが有名で、俗に「目に良い」などと言われる事もあります。繰り返しになりますが、ビタミンAは元々視細胞の構成要素となっているので、確かにその摂取を積み重ねる事では、加齢や生活習慣などによる視力の低下を抑える効果は一定程度あるかもしれません。ただし摂取したからと言っていきなり視力が上がるなんて事はあり得ません。これはアントシアニンやルテインなど他の「目に良い」とされる特定の食品や特定の栄養素も同様です。そのような期待の仕方は間違っているので注意しましょう。



ビタミンAを摂取する事ができるサプリメントの紹介

ここではビタミンAを摂取する事ができるサプリメントを紹介しています。繰り返しになりますが、ビタミンAは食品からのレチノールの摂取が基本であり、必要に応じてβ-カロテンの方を補給します。過度な食事制限をしていない限り、食品からの摂取だけで十分であり、基本はサプリメントとして補給する必要はありません。


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NOW Foods ベータカロテン

これはβ-カロテンを補う事ができる海外製のサプリメントです。容器には1日1粒目安と書かれています。レチノールとは違って過剰摂取のリスクはおそらく低いと思われますが、日本で販売されているβ-カロテンのサプリメントと比べると1粒当たりの含有量がかなり多いため、念の為にも用法用量はしっかりと守るようにしましょう。



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