各種アミノ酸の役割について簡単に理解しよう

蛋白質は様々な種類のアミノ酸から作られています。中でも全ての蛋白質を作るために必要なのが「9種類の必須アミノ酸」です。この記事では特に必須アミノ酸それぞれの役割について私なりに説明しています。一方、必須アミノ酸以外のアミノ酸の中にも重要な役割を持つアミノ酸があり、それについても説明しています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

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★当記事の目次

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★必須アミノ酸の性質について考える

蛋白質は様々な種類のアミノ酸から作られます。中でも必須アミノ酸は「必須」となっている通り、蛋白質を合成する上でなくてはならない基本的な材料です。そんな必須アミノ酸ですが、実は全部で9種類あり、その9種類全てが「必須」です。つまり9種類の内、どれか一つでも欠けると、それだけで蛋白質を効率良く作る事ができなくなります。単に蛋白質を摂取するだけではなく、必須アミノ酸をバランス良く摂取するようにしましょう。

尚、9種類の必須アミノ酸の名前を挙げると、「トリプトファン」「リジン(リシン)」「メチオニン」「トレオニン(スレオニン)」「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」「ヒスチジン」「フェニルアラニン」となります。特に必須アミノ酸はそのように9種類のバランスが重要と言われており、それを意味する数値として「アミノ酸スコア」というものがあります。アミノ酸スコアが高いほど必須アミノ酸をバランス良く摂取できるという事なので、日々の食習慣においては「アミノ酸スコアの高い食事」を取るが理想です。参考記事→アミノ酸スコアについて



★9種類の必須アミノ酸それぞれの役割について考える

下記では9種類の必須アミノ酸それぞれの役割について簡単に説明しています。尚、必須アミノ酸は共通して「蛋白質を豊富に含む食品」から摂取できます。すなわち肉、魚、乳製品、卵など動物性の食品に多く含まれており、それらを日常的に食べると良いでしょう。ただし動物性の食品だけではビタミンやミネラルが不足してしまいます。また動物性の食品は基本的にアミノ酸の吸収を促す「糖」も含まれていません。そのため実際には植物性の食品も一緒に食べ、全体の栄養バランスを整える事が重要になります。


●トリプトファン

トリプトファンは蛋白質の材料として必須です。また様々なホルモンの材料となり、特にセロトニンやメラトニンの合成に必要と言われています。つまりこれは食習慣の乱れが結果として睡眠習慣の乱れにも繋がるという事です。更にセロトニンやメラトニンはドーパミンやノルアドレナリンなど他のホルモンをコントロールし、それによって精神安定剤のような役割も果たしています。つまり食習慣の乱れは結果としてストレス状態も悪化させるという事です。ただしトリプトファン及びセロトニンが過剰に増えると疲労感に繋がるという説もあります。

またトリプトファンはそれ自体がエネルギーになり、ブドウ糖・脂肪酸・ケトン体に変換されます。特に糖が不足した時、ブドウ糖に変換され、代わりにエネルギーとして利用されます。そのため糖の摂取制限によってトリプトファンが不足する場合があります。ただし逆に過剰になると脂肪酸の合成に回されます。

その他、トリプトファンはエネルギー代謝において必須のNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という補酵素の合成にも必要です。一方、NADはビタミンB群の一種であるナイアシンからも変換されますが、再びNADからナイアシンへ変換する事もできます。このためナイアシンの不足によってトリプトファンの必要量が増え、またトリプトファンの不足によってナイアシンの必要量が増える事になります。

ちなみにトリプトファンは牛乳やバナナに多く含まれると言われる事があるのですが、トリプトファンの量自体は、そのように動物性の食品の方が圧倒的です。ただしトリプトファンが脳内に到達する際にはフェニルアラニンやBCAAと競合し、過剰にならないように制御されています。このため他のアミノ酸があるとむしろ吸収率が落ちる可能性があり、もしトリプトファンだけを効率良く摂取したい場合、空腹時に少量の糖と一緒にサプリメントを利用する必要があるでしょう。まぁその辺はよっぽど激しい運動をしていない限り気にする必要はありません。


●リジン(リシン)

リジンも蛋白質の材料として必須です。特にコラーゲンの材料として必要量が多く、役割として非常に重要です。またリジンは「カルニチン(アミノ酸から作られる)」という物質の材料としても必須です。カルニチンは脂肪酸をエネルギーへ変換する時、その運搬を担う物質で、脂肪酸のエネルギー化を円滑化させる役割があります。その他、リジン自体もエネルギーになり、脂肪酸やケトン体に変換されます。

そんなリジン、そのようにコラーゲンに多く含まれているので、スッポン、手羽先、フカヒレ、豚軟骨、牛スジなどが供給源になります。また大豆などの豆類にも多く含まれていると言われています。もちろん単純に動物性の食品にも豊富に含まれています。一方、米や麦など穀類に関しては、他の食品と比べると含まれている量が少ないと言われています。


●メチオニン

蛋白質は遺伝子(DNA)を複製し、その情報を元にして合成されます。その合成の最初のきっかけになるのが、このメチオニンと言われています。当然蛋白質の材料として必須です。またメチオニンはシステインの合成にも使われます。システインはアミノ酸の一種で、蛋白質同士を繋げ、強度を高め、安定化させる役割を持っています。

その他、メチオニンはカルニチン(脂肪の運搬)、タウリン(胆汁の材料、恒常性、神経伝達)、レシチン(細胞膜に必要なリン脂質)の合成にも使われます。またメチオニン自体もエネルギーになり、ブドウ糖へと変換されます。ちなみに食品ではやはり動物性の食品に多く含まれています。一方、植物性の食品にも含まれていますが、大豆は穀類と比べると含まれる量が少ないという情報があります。


●トレオニン(スレオニン)

トレオニンも蛋白質の材料として必須です。またリジンほどではありませんが、コラーゲンの材料として重要です。一説によると成長作用があり、新陳代謝を促す役割があるとも言われています。その他、トレオニン自体がエネルギーになり、ブドウ糖・脂肪酸・ケトン体へと変換されます。ちなみに食品ではやはり動物性の食品、特にコラーゲンを多く含む食品が補給源になります。


●バリン

バリンも蛋白質の材料として必須で、合成と分解を制御する役割があると言われています。特に筋肉を修復・合成する際の材料として必要とされ、激しい運動を行っている人では必要量が増えます。俗に「筋肉の不必要な分解を抑える作用がある」などと言われており、アスリートではサプリメントとして摂取している人もいます。その他、バリン自体がエネルギーになり、ブドウ糖へと変換されます。


●ロイシン

ロイシンも蛋白質の材料として必須で、合成と分解を制御する役割があると言われています。特にバリンや後述のイソロイシンと同じく、筋肉を修復・合成する際の材料として必要で、激しい運動を行う習慣のある人では不足する事があります。一説によればバリンやイソロイシンよりも必要量が多いと言われています。そのためアスリートではサプリメントとして摂取している人もいます。その他、ロイシン自体がエネルギーになり、脂肪酸やケトン体へと変換されます。


●イソロイシン

イソロイシンも蛋白質の材料として必須で、合成と分解を制御する役割があると言われています。特にバリンやロイシンと同じく、筋肉を修復・合成する際の材料として必要不可欠なアミノ酸で、激しい運動を行う習慣のある人では不足する事があります。その他、イソロイシン自体がエネルギーになり、脂肪酸やケトン体へと変換されます。

ちなみにバリン、ロイシン、イソロイシンの3つの必須アミノ酸を合わせて「BCAA(分岐酸アミノ酸)」と呼びます。特に激しい運動を行って筋肉に大きなストレスがかかった時には、周囲にあるBCAAやグルタミンなどのアミノ酸を利用し、そのストレスから筋肉を守ろうとすると言われています。すなわち「運動中〜運動後」からも既に筋肉の修復・合成は行われており、もしそれが過度に起こった場合、運動を行う度に筋肉が分解されてしまう可能性があります。BCAAはそれを抑えてくれる効果が期待されており、そのために運動中から意識的に摂取している人もいます。

一方、BCAAは脳内に入る際にはトリプトファンと競合します。トリプトファンやセロトニンが過剰に増えると疲労感に繋がると言われていますが、BCAAはそれを抑える作用があると言われています。このためBCAAにはおそらくリラックス作用があると思われます。


●ヒスチジン

ヒスチジンも蛋白質の材料として必須で、蛋白質の高次元的な構造の維持に必要と言われています。またヒスチジンは体内で「ヒスタミン」に変換され、アレルギー・炎症反応を制御する役割があります。更に脳内でのヒスタミンは覚醒や満腹感をもたらすと言われています。ただし過剰になるとアレルギー症状が悪化する事があります。その他、ヒスチジンは乳酸の合成・分解を制御するとされるカルノシン(筋肉に多く存在)の合成にも使われます。またヒスチジンそれ自体がエネルギーになり、ブドウ糖へと変換されます。

ちなみに肉や魚などのナマモノを長時間放置し、腐食すると、細菌によってヒスタミンが作られ、食中毒の原因になります。また鼻炎薬にはアレルギーの原因になるヒスタミンを抑える作用がありますが、脳内のヒスタミンが減ると猛烈な眠気を引き起こします。一方、眠気を引き起こす作用を逆手に取り、睡眠を補助する商品に利用される事もあります。


●フェニルアラニン

フェニルアラニンも蛋白質の材料として必須です。特にアミノ酸であるチロシンの合成に必要不可欠です。チロシンはドーパミンやノルアドレナリンなど精神状態に関わるホルモンの材料になります。またチロシンは新陳代謝に関わる甲状腺ホルモンや紫外線から皮膚を守るメラニンの合成にも必要で、役割として非常に重要なアミノ酸です。

ただし脳内に入る際にはトリプトファンと競合します。このためフェニルアラニンが過剰になると、トリプトファン及びセロトニンやメラトニンの量が減ってしまう事があります。尚、フェニルアラニンそれ自体がエネルギーになり、ブドウ糖・脂肪酸・ケトン体へと変換されます。



★必須アミノ酸以外のアミノ酸の性質とその種類

必須アミノ酸以外のアミノ酸の中でも、重要な役割を持つのがグルタミン、アルギニン、シトルリン、オルニチン、グリシン、プロリン、システイン、チロシンなどです。あくまで簡単な説明に留めますが、例えばグルタミンはストレス制御・小腸細胞活性化・免疫維持・アンモニア運搬、アルギニン・グリシン・プロリンはコラーゲン合成・成長作用、システインは蛋白質の構造維持・抗酸化、チロシンは前述のように必須アミノ酸のフェニルアラニンとだいたい同じです。

これらの中では、特にコラーゲンの合成に関与しているアルギニン、グリシン、プロリンが重要です。サプリメントを利用し、単体で摂取しても良いのですが、単純にコラーゲンに多く含まれているので、コラーゲンを豊富に含む食品、あるいは市販のコラーゲンパウダーを利用すると良いでしょう。またグルタミンは人体に多く存在するアミノ酸であり、特に激しい運動を行う人では必要量が増えます。可能ならば起床後・寝る前・運動後に摂取しておきたいところです。

一方、アミノ酸から合成されるものとしては、例えばタウリン、カルノシン、カルニチンなどもあります。例えばタウリンは恒常性維持・胆汁の材料・神経興奮抑制、カルノシンは乳酸制御、カルニチンは脂肪運搬などの役割があります。これらはアミノ酸ではありませんが、人体で重要な役割を持っています。これらの中ではタウリンが重要です。タウリンはタコやイカなどに豊富に含まれており、定期的に食べると良いでしょう。

ちなみにタウリンは国産のサプリメントは存在しません。これは法律的な理由からです。海外から輸入すれば一応利用する事も可能ですが、あまり手軽ではありません。またタウリンは栄養ドリンクにも含まれていますが、摂取する手段としては適していません。



★アミノ酸等を補う事ができるオススメのサプリメント

ここではアミノ酸やアミノ酸に関する栄養素を補う事ができるサプリメントを紹介しています。尚、激しい運動習慣がある場合は別として、必ずしも「摂取の必要がある」というようなものではありません。あくまで参考程度に。

Scivation Xtend BCAA

これは必須アミノ酸の中でも、特にBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)を補う事ができるサプリメントです。EAAよりも安価です。運動前〜運動中に5〜10g摂取すると良いでしょう。その際には少量の糖があると吸収率が高まります。ただし運動を行っていない人では基本的には摂取の必要はありません。
バルクスポーツ EAA(必須アミノ酸)

これは必須アミノ酸を補う事ができるサプリメントです。BCAAよりも高価ですが、代わりに利用する事ができます。運動前〜運動中に15g程度を摂取すると良いでしょう。その際には少量の糖があると吸収率が高まります。ただし運動を行っていない人では基本的には摂取の必要はありません。
MEM グルタミン

これはアミノ酸の一種グルタミンを補う事ができるサプリメントです。運動後に5〜10g、起床後や寝る前に5gずつ摂取すると良いでしょう。その際には少量の糖があると吸収率が高まります。
ネオセル コラーゲンパウダー
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これはコラーゲンの粉末です。摂取量の目安はありませんが、1回数gを小分けにして摂取すると良いでしょう。尚、摂取の際にはパイナップルジュースに入れて溶かし、少し時間を置いてから飲む事をオススメします。パイナップルには蛋白質分解酵素が含まれており、これによってコラーゲンの分子がバラけ、コラーゲンに多く含まれるアミノ酸の吸収率を高める事ができます。
バルクスポーツ シトルリックアルギニン

これはアルギニンを補う事ができるサプリメントです。運動前や運動後に5gずつ、また寝る前に5g摂取すると良いでしょう。尚、アルギニンはコラーゲンにも含まれます。
Country Life タウリン 500mg
(オオサカ堂商品リンク)

これはタウリンのサプリメントです。1日3g程度が目安です。毎食時に1gずつ摂取すると良いでしょう。


参考記事一覧

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