身長の伸びに深く関わる骨端線・成長ホルモン・IGF-1

ここでは身長を伸ばすために重要となる「骨端線」「成長ホルモン」「IGF-1」という特定のワードについて、私なりに考えた事を書いています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ

骸骨

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そもそも成長ホルモンとは?その作用について考える

成長ホルモンとは、脳の下側前方にある脳下垂体という組織から分泌されるホルモンで、正式名称を「ヒト成長ホルモン(略称:hGH)」と言います。この成長ホルモンはその名の通り「成長作用」があり、骨の細胞や蛋白質の増殖を促す役割があると言われています。特に成長期において分泌が促され、それが骨に対して作用する事で身長を伸ばす事ができます。

一方、成長ホルモンは思春期以降でも分泌されるホルモンです。例えば筋トレをして筋肉に大きなストレスをかけると、ストレスをかける以前を上回るようにして筋肉の蛋白質が合成されます。これは大きなストレスから筋肉の細胞を守ろうとして起こる事ですが、これにも成長ホルモンが関係しています。また一般的な所では、例えば転んで膝を擦り剥いてしまった時、皮膚が部分的になくなってしまう事があります。その時にも成長ホルモンは分泌され、なくなった部分を埋めるようにして皮膚の蛋白質が合成されます。

またこれはあまり知られていませんが、成長ホルモンには血糖値を上昇させる作用もあります。前述のような細胞の修復が必要な時はもちろんの事、特に心身に大きなストレスを感じた時、食事制限・運動・脳の活動によって体内の糖が枯渇した時、あるいはインスリンの作用によって血糖値が下がった時などに分泌が促され、血糖値を高め、そのバランスを取ると言われています。ただしそれによっては高血糖状態になる事があり、それが長期に渡って続くと、血液が流れづらくなり、細い血管を詰まらせたり、血管の壁を傷つけてしまう事があります。

更に糖が長期に渡って不足すると、蛋白質、脂肪、乳酸などを糖に変換して利用しようとします。この仕組みの事を「糖新生」と言い、成長ホルモンにはこの糖新生を促す作用もあります。成長ホルモンと聞くと分泌量が多い方が良いという印象もありますが、その糖新生が過度に起こると、蛋白質が分解され、様々な細胞の機能が低下してしまいます。その分泌をコントロールする事が重要です。



成長ホルモンの分泌を制御するホルモン

成長ホルモンは他のホルモンによってその分泌が制御されています。それが「ソマトクリニン(略称:GHRH)」と「ソマトスタチン(略称:SST)」です。

簡単に説明すると、ソマトクリニンは成長ホルモンの分泌を促す働きがあるホルモン、ソマトスタチンは逆に成長ホルモンの分泌を抑制する働きがあるホルモンです。この2つのホルモンがある事で、成長ホルモンの分泌量が極端に減ったり、あるいは過剰に分泌されたりする事を防いでいると言われています。当然、身長を伸ばすためにはソマトクリニンの分泌が多い方が良いでしょう。

ただし繰り返しになりますが、成長ホルモンは多すぎても良くありません。何らかの原因でソマトクリニンの分泌が過剰に増えたり、あるいはソマトスタチンの分泌が過剰に減ったりすると、それに伴って成長ホルモンが増え過ぎ、身長と共に末端が大きくなる「末端肥大症(先端巨大症)」の他、血糖値を上げる作用によって高血糖状態になりやすいため、糖尿病などになるリスクが高まると言われています。確かに身長は伸びますが、程度によっては顎や手足の骨まで物理的に大きくなったり、あるいは身長及び体重が大きくなりすぎ、日常生活にも何らかの支障をきたす事があります。

一方、逆にソマトクリニンの分泌が異常に減ったり、ソマトスタチンが異常に増えるのも良くなく、その場合にはいわゆる「小人症(その名前がやや差別的なため、実際は細かく分類された病名が使われる)」などになる事があります。つまり身長が低くなる上、手足が短く、小さくなります。また怪我をした時、治りが遅くなったり、加齢による細胞の劣化が早くなるため、程度によっては日常生活に支障をきたします。

尚、そうして成長ホルモンの分泌量が減る場合、そのように明らかに見た目に分かりやすい形で大きな変化が起こる場合もあれば、程度によっては見た目では分からない場合もあります。過去の記事でも触れていますが、特に低身長症の治療にはある程度の基準があります。そのため「病的な分泌」とまでは言えない場合、低身長症の治療を受けられず、低身長が放置されてしまう事があります。それは自分が親になった時、に気づく事があります。何故なら子どもに強く遺伝してしまう事があるからです。これに関しては遺伝子的な要素が大きいので、自分の意思でどうこうできるものではありませんが、早期に治療を受ければ改善はできます。身長の低い親が子どもを生み育てる場合、自分の子どもの異常を見逃さないよう注意しましょう。



成長ホルモンの分泌量を増やすには?

成長ホルモン及びその分泌を促すソマトクリニンは睡眠中(ノンレム睡眠中に分泌されるという説)に分泌されます。このため睡眠の質を高める事がまず重要になります。尚、睡眠の質を高めるためには、寝る直前の行動(脳を刺激するような行動を取らない)、睡眠中の環境(布団、枕、室温、湿度、騒音、明るさ、空気、寝相・筋肉の柔軟性、鼻通りなど)、昼間の行動(太陽の光を浴びる、脳と体を刺激する、ストレス管理をするなど)などが大きく関係しています。これらの改善に努めましょう。

また成長ホルモンはそのように成長作用があります。つまり「成長が必要な状態」に身を置く事が重要です。そのために鍵となるのが運動習慣です。「成長ホルモン」と聞くと、そのように睡眠中に分泌されるというイメージが強いです。しかし実際は運動中にも分泌されています。このため、成長ホルモンの分泌を促すには、やはり運動が重要になると思います。

特に運動の中でも筋肉に大きなストレスをかけるような無酸素運動、神経系を刺激するような複雑な運動、普段行った事がないような新しい運動が効果的です。ただしそのような運動は消費エネルギーが大きいため、単に運動量を増やすだけでは、摂取量と消費量のバランスが崩れ、逆効果になる可能性もあります。消費した分を上回るようにして、しっかりとした食事(蛋白質と糖はもちろんエネルギー確保のために脂肪も必要)を行う事が重要です。運動と食事は必ずセットで考えましょう。


バルクスポーツ シトリックアルギニン

これはアルギニンのサプリメントです。1回1〜3gとし、起床後・寝る前・運動前・運動後など、特に空腹時に摂取すると良いと思われます。

ちなみに成長ホルモンの分泌を促すとしてよく言われるのがアルギニンです。アルギニンはコラーゲンの合成に使われるアミノ酸で、発育に必須で必要量も多い事から、成長期では「準必須アミノ酸」とも呼ばれている重要な栄養素です。直接的に成長ホルモンを分泌する訳ではないようですが、少なくとも蛋白質の一種であるコラーゲンの合成は促されるので、それによる間接的な効果があると思われます。

またアルギニンはアンモニアの排出に必要な尿素回路に必要な上、そうして尿素回路を回す際、血管の拡張に関わる一酸化窒素を合成するためにも使われます。特にアンモニアは新陳代謝の過程で必ずできる蛋白質の残骸(余った窒素)です。アンモニアは有毒であり、その排出は速やかに行わなければなりません。


DHC 亜鉛

これは亜鉛のサプリメントです。1日1粒と書かれています。基本的にそれで問題ありませんが、運動量が多い場合、2粒までが目安になります。

一方、亜鉛は様々な酵素の活性に必要なミネラルで、それらの酵素が、例えば細胞分裂、免疫・消化機能維持、糖・蛋白質の代謝に関わるインスリン合成、抗酸化機能を持つビタミンA活性化、細胞からの二酸化炭素の運搬、精子の合成、骨の形成などに関わっていると言われています。特にそのように蛋白質の代謝に必要なミネラルなので、間接的には成長ホルモンの分泌にも関与すると思われます。

ちなみに亜鉛は俗には精力増進などと言われ、様々なサプリメントに含まれています。おそらくそれも蛋白質の代謝及びホルモン分泌によるものと思われます。もしそのようなサプリメントを選ぶ場合、必ず「含有量(mg)」が記載されているものを選びましょう。



「IGF-1」の分泌に必要な肝臓の機能を維持する

成長ホルモンはそうして成長作用をもたらす場合と、血糖値を上げる作用をもたらす場合とで、実は伝達される経路が異なります。

血糖値を上げる作用をもたらす場合、成長ホルモンは直接作用すると言われています。一方、成長作用をもたらす場合、成長ホルモンは脳にる脳下垂体から分泌された後、一旦「肝臓」に行き、そこで「IGF-1(インスリン様成長因子)」というホルモンに変化します。実はこの「IGF-1」こそが、骨や筋肉などに作用すると言われています。よって身長を伸ばすためには、単に成長ホルモンの分泌を促すだけではなく、同時に「肝臓が正常に機能する」よう努めなければなりません。

肝臓の役割を簡単に説明すると、例えば糖・脂肪・蛋白質のエネルギーへの変換、グリコーゲンなどのエネルギーの貯蔵、血液の貯蔵、脂肪を分解・吸収する胆汁の合成・分泌、吸収された各種栄養素の処理、老廃物・毒素・細菌の無力化などが挙げられます。特に肝臓はどこか一部の組織が機能を失っても、その機能を別の部分で補う事ができたり、あるいは事故などで一部分を物理的に失っても、数日で修復できるほどの高い再生能力を持っているなど、その能力が非常に高い臓器です。

しかし元々持っている能力があまりに高すぎるために、仮に肝臓の一部の機能が低下していても、「機能が低下した」という自覚症状が殆ど出ないと言われています。このため知らず知らずの内に肝臓に負担をかけている場合があり、意図しない肝臓への負担増大、及び機能低下により、それが身長の伸びを悪化させる原因になっている事があるのです。

肝臓の機能を低下させる大きな原因はやはり不規則な生活習慣です。例えば暴飲暴食、栄養過多、過度な食事制限・栄養失調、過労、ストレス、睡眠不足、運動及び勉強のし過ぎ、病院処方の薬やサプリメントの飲み過ぎ、飲酒・喫煙などが挙げられます。これらの中でも大きな原因となるのがストレス、過労、食習慣の乱れ(食べすぎ・食べなさすぎ両方)です。意外に思うかもしれませんが、「身長を伸ばしたいからと急激に食事の量を増やす事」という事も、実は肝臓の機能を低下させる原因になる事があります。

確かに成長期ではたくさん食べる事が重要です。しかしせっかくたくさん食べても、それが効率良く処理・吸収・利用されなければ意味がありません。一気に食べる量を増やすのではなく、小さい頃から、少しずつ増やしていくようにしましょう。そうして「毎日少しずつ臓器を育てる」という事も重要です。それこそが「食育」です。



そもそも「骨端線」とは?

骨端線(成長線)とは、成長期の子どもの骨にしか見られないもので、通常の骨よりも柔らかい軟骨組織の事です。骨端線という名の通り、特に骨の両端に存在しており、付近には骨を作る細胞がたくさん存在しています。前述した「IGF-1」が分泌されると、骨端線が刺激を受け、骨端線付近にある骨を作る細胞が活性化されます。それによって柔らかい新しい骨が作られ、通常の骨と一体化し硬化、それが繰り返される事で骨が縦に伸び、それに伴って身長も伸びます。ちなみに実際にレントゲンで撮ると、骨端線の部分は薄白い半透明な骨として写ります。

またそのように軟骨組織で弾力性に富んでおり、刺激に対して敏感に反応します。特に運動などによって物理的な刺激が与えられると、骨を作る細胞が更に活性化され、新しい骨を作る活動が大きく促されます。「身長を伸ばすためには運動が良い」とよく言われますが、それにはこの事が関係しているのです。(参考記事→適度な運動について新しい運動について


尚、骨を作る細胞には「破骨細胞」と「骨芽細胞」があります。簡単に説明すると、骨芽細胞は新しい骨を作る働きのある細胞の事、破骨細胞は古くなった骨や傷ついた骨を壊す働きがある細胞の事で、成長期においては特に骨芽細胞の活動の方が上回る事で身長が伸びます。一方、大人ではバランスが整っているため、骨が伸びる事は殆どありませんが、骨折など骨の細胞が傷ついた時、それを修復するために必要なものです。

特に骨端線は思春期を過ぎると通常の硬い骨に吸収されて一体化し、年齢を重ねた大人では完全に消えてなくなります。これを「骨端線の閉鎖」と言います。柔らかい骨端線が失われると「骨の伸びる余地」がなくなり、身長の伸びは完全に止まってしまいます。大人になって身長が伸びなくなるのはそうして骨端線が閉鎖し、骨芽細胞と破骨細胞のバランスが整っているからです。また女性ホルモンにはこの骨端線を閉鎖させる作用があります。このため女性では早期に身長の伸びが止まります。



IGF-1を意識的に増やす方法はないのか?

一部の食品には「IGF-1」を増やす働きがあるとされている栄養素が含まれています。それが牛肉、乳製品、大豆製品、辛い食べ物です。

例えば海外の安価な牛肉の場合、その牛をできるだけ早く、安く育てるために、成長ホルモンの含まれた餌を使っている・・・という話を聞いた事があります。それによって育った牛の肉や牛乳、あるいは牛乳を使った乳製品を食べる事で、IGF-1を補給する事ができると言われています。ただしこれは材料を補給する事による間接的なもので、IGF-1そのものを、そのまま吸収して利用する訳ではありません。

また肉類にはドーピングにも使われるような物質(ホルモン分泌を促す作用を持つもの)を餌に含ませ、大きく育てるという事を行っている農家もあるという話を聞いた事があります。これもおそらく海外の話ですね。実際それでドーピング検査に引っかかったスポーツ選手もいるようです。まぁそれに関しては言い訳に使ってる可能性の方が高いですけどね(笑)

この他、大豆製品に関しては「大豆イソフラボン(参考記事→大豆製品について)」が関係しています。大豆イソフラボンには「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」を増やす働きがあり、このCGRPにIGF-1を増やす働きがあると言われています。またそこに辛味成分である「カプサイシン」が合わさると、知覚神経を刺激し、更にその分泌を促進させる事ができるとも言われています。納豆と唐辛子は一緒に食べましょう。尚、前述のように元となる成長ホルモンの分泌を促す方が重要です。運動と睡眠をセットで考えましょう。


ただし胃の容量には限りがありますから、そうして特定の食品に偏る事では、逆に全体の栄養バランスが損なわれる可能性もあります。いくら体に良い栄養素を摂取していてもそれでも意味がありません。意識的に摂取するのももちろん構いませんが、それには「バランスの良く栄養を摂る」という前提がなければなりません。特定の食べ物や栄養素を摂っただけで満足しないようにしましょう。無論ですが、前述したように睡眠と運動の改善も行わなければなりません。食べるだけでは身長は伸びません。

ちなみにIGF-1ですが、それを直接口から摂取する事ができるとされるサプリメントもあります。中には舌下にスプレーするような商品もあります。ただし低身長症の治療のように、血液に直接入れる場合は別として、そのような方法でIGF-1を摂取しても、多くが分解されてしまうため、おそらく効果は殆どないと思われます。過度な期待は禁物です。それをするなら低身長症の治療を受けた方が良いでしょう。



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