骨端線・成長ホルモン・IGF-1について

ここでは身長を伸ばすために重要とされる「骨端線」「成長ホルモン」「IGF-1」という特定のワードについて、私なりに考えた事を書いています。やや長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ

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「ヒト成長ホルモン(hGH)」について

思春期前後になると脳にある脳下垂体という場所から「ヒト成長ホルモン(hGH)」が分泌されます。これがいわゆる「成長ホルモン」の事です。しかし成長ホルモンは「あらゆる細胞を増殖、修復、再生させる」ために使われており、実は思春期以前も分泌されていますし、思春期を過ぎた大人になってからも分泌されています。例えば膝を擦り剥いて皮膚の細胞が傷ついた時や筋トレをして筋肉の細胞が傷ついた時など、あらゆる細胞に対して働くホルモンなのです。それが骨に対して作用する事で身長を伸ばす事ができ、思春期前後になると特にその働きは活発になります。

しかしその成長ホルモンは他のホルモンによってコントロールされています。それが「ソマトクリニン(GHRH)」と「ソマトスタチン(SST)」です。ソマトクリニンは成長ホルモンの分泌を促す働きがあるホルモンで、逆にソマトスタチンは成長ホルモンの分泌を抑制する働きがあるホルモンです。これらのホルモンが分泌される事で、成長ホルモンの分泌量が極端に減ったり、あるいは過剰に分泌されたりするのを防いでいます。成長ホルモンが少ないのはもちろん身長の伸びに悪いのですが、かと言って分泌量が増えすぎても良くありません。何らかの原因でソマトクリニンやソマトスタチンの分泌が不安定になると、その影響を受けて成長ホルモンの分泌も不安定になります。それが酷い場合には小人症、巨人症、末端肥大症などになる事があります。


成長ホルモンの分泌を促すアルギニン

成長ホルモンの分泌を促すソマトクリニンは身長を伸ばすために必要不可欠なホルモンです。このホルモンが分泌されなければ成長ホルモンも分泌されません。そんなソマトクリニンは様々な種類のアミノ酸で構成されており、特に「アルギニン」というアミノ酸が強く影響するとされています。成長ホルモンの分泌にアルギニンが良いと言われるのはこれがあるからです。参考記事→アルギニンについて

脳筋.jpg尚、ソマトクリニンは深い眠りの「ノンレム睡眠」の時に分泌が促進され、それによって成長ホルモンの分泌が促されると言われています。ただしソマトクリニンも前述したソマトスタチンも、もちろん成長ホルモン自身も分泌は「脳」から行われる事です。よってこれらのホルモンバランスを整えるためには脳が正常に機能していなければなりません。既に他の記事でも説明していますが、最低限我々のできる事は規則正しい生活習慣を続ける事、特に睡眠、食事、運動という3つの習慣を改善する事です。それによって成長ホルモンの分泌を促しましょう。


身長を伸ばすために必要不可欠な「IGF-1」について

前述の成長ホルモンですがそのままの形で骨へ伝わる訳ではありません。成長ホルモンは脳から分泌された後、一旦「肝臓」で「IGF-1(インスリン様成長因子)」というホルモンに変化します。実はこの「IGF-1」が骨にある骨端線に作用する事で、骨端線にある骨を作る細胞が活性化し、それによって新しい骨を作り出す活動が促され、骨が縦に伸び、身長が伸びます。よって身長を伸ばすためには成長ホルモンの分泌量を増やすだけでなく、同時に「肝臓が正常に機能する」よう努めなければなりません。

肝臓は糖や脂肪、タンパク質をエネルギーへと変換したり、血液を常に綺麗に保つ浄化作用などを持っている非常に処理能力の高い臓器です。健康に生きる上でなくてはならない臓器の一つですね。しかしその元々持っている処理能力が高すぎるために、仮に肝臓の機能が低下していても「機能が低下した」という自覚症状がほとんど出ません。よって自分が知らず知らずに肝臓へ負担をかけている事が多く、自分が気付かぬ内に身長の伸びに悪い影響を及ぼしているという事があるのです。

その肝臓の機能を低下させる大きな原因はやはり不規則な生活習慣・・・なのですが、「身長を伸ばしたいからと言って急激に食事の量を増やす事」も実は肝臓の機能を低下させる原因になります。特に成長期においては身長を伸ばすために食事の量を増やさなければなりませんが、身長を伸ばすからと急に食事量を増やしても効率良く栄養を吸収する事はできません。急に食べる量を増やすのではなく、小さい頃から少しずつ増やす事で「臓器を育てる」事が重要なのです。成長期においては身長などの見た目だけでなく臓器も成長しており、それを考えた長期的な栄養習慣が必要になります。

尚、ビタミンB群の不足、暴飲暴食、栄養過多、睡眠不足、運動及び勉強のし過ぎ、過度なストレス、病院処方の薬やサプリメントの飲み過ぎ、アルコール、タバコなどによっても肝臓は機能が低下する事があります。そのような環境はできるだけ小さい頃の内に親が改善しておくべきです。


身長を伸ばすのに必要な「骨端線」とは何か

骨4.jpg上記の「IGF-1」の影響を受けて活性化する「骨端線」。骨端線は別名「成長線」とも言いますが、骨端線は通常の骨よりも弾力に富んでいる軟骨組織になっています。骨が硬くなる前の柔らかい状態だからこそ、骨が伸びる余地があり、身長を伸ばす事ができるのです。実際にレントゲンで撮ると骨端線の部分だけ薄白い透明な骨として写ります。

特に骨端線付近には骨の細胞がたくさん存在しています。それが「破骨細胞と骨芽細胞」です。破骨細胞は古くなった骨や傷ついた骨を壊す働きがある細胞で、逆に骨芽細胞は新しく骨を作る働きのある細胞です。この破骨細胞と骨芽細胞はもちろん思春期を過ぎた大人にもある機能なのですが、思春期においてはその細胞の働きが活発になり、特に骨芽細胞の方が優位に働く事で新しく骨が作られ、それによって身長が伸びていきます。

しかし骨端線は思春期を過ぎると少しずつ通常の硬い骨へ吸収されて一体化し、年齢を重ねた大人では完全になくなってしまいます。柔らかい骨端線が失われると「骨の伸びる余地」がなくなるため、身長の伸びはほとんどと言って良いほど止まる事になります。大人になって身長が伸びないのは骨にある骨端線が失われており、骨芽細胞と破骨細胞のバランスが整っているからです。また大人で骨折しても元通りになるのはそれが正常に働いているからなのです。すなわち骨端線は思春期以前の成長期の子どもにしかないものであり、身長は骨端線がある内にしか伸びません。尚、男性よりも女性の方が身長の伸びが悪いのは女性ホルモンの働きによってその骨端線を早々に閉鎖させてしまうからです。

そんな骨端線へ大きな刺激を与える方法があります。それが「適度な運動」「新しい運動」です。前述の通り骨端線は普通の骨よりも柔らかい「軟骨」ですので弾力性に富んでおり、刺激に対して非常に敏感です。運動を行う事で骨端線を刺激する事ができれば、骨端線付近にある骨を作る細胞を更に活性化させる事ができます。身長を伸ばすために運動が必要なのはこの事があるからです。(参考記事→適度な運動について新しい運動について


IGF-1と大豆イソフラボン+カプサイシン

一部の食品にはこの「IGF-1」を増やす働きのある栄養素が含まれているものがあります。それが牛肉、乳製品、大豆製品、辛い食べ物です。牛肉は輸入に限った事なのですが、海外の安価な牛肉(ただし安価な肉の中には人工的に脂肪や添加物を大量に注入した「成型肉」があるため品質の見極めが必要)にはその牛を速く育てるために成長ホルモンの含まれた餌を大量に使っているという話があります。それによって育った牛の肉(牛乳や牛乳を使った乳製品も同じ)を大量に食べるとIGF-1の分泌量を増やす事ができると言われています。

一方、大豆製品に関しては「大豆イソフラボン(参考記事→大豆製品について)」が関係しています。大豆イソフラボンは「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」という栄養素を増やす働きがあり、そのCGRPは直接IGF-1を増やす働きがあります。もちろんそれだけでは効果は微々たるものなのですが、そこへ辛味成分である「カプサイシン」が組み合わさる事では、更にその分泌を促進させる事ができると言われています。

ただし大豆製品(必須アミノ酸のバランスと絶対量は動物性の食品の方が良い)、辛い食べ物(辛味の調節に塩分や糖分が大量に使われている。また発汗によって水分とミネラルの必要量が増える。)ばかりを食べたり、牛乳をガブ飲み(脂肪が多い。またそれだけでお腹が満たされ他の栄養が摂れない)したり、牛肉だけ(牛肉に含まれる栄養素しか摂れない。また脂肪分もカロリーも多い)をたくさん食べたりなど、一部の食品に偏る(一度の食事で大量に食べる、毎日大量に食べる等)事は全体的な栄養素の不足を招く事になります。いくら体に良い栄養を摂っていても、それでは結果として身長の伸びには悪影響を及ぼすでしょう。意識的に摂るのももちろん構いませんが、それには「バランスの良く栄養を摂る(参考記事→バランス良く栄養を摂る事)」という前提がなければなりません。


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