甲状腺ホルモンの分泌と身長の伸びについて考える

身長を伸ばすと言えば「成長ホルモン」のイメージがあります。しかし実は甲状腺ホルモンにも新陳代謝を促す働きがあり、身長の伸びに影響を与えると言われています。この記事ではそんな甲状腺ホルモンについて私なりに考えた事をまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

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★当記事の目次

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甲状腺ホルモンの役割について考える

甲状腺ホルモンは、喉仏の下辺りにある「甲状腺」という組織から分泌されるホルモンです。特にこの甲状腺ホルモンには「古くなった細胞を取り除き、細胞を新しく作り変える」という「新陳代謝」の過程をスムーズにする役割があると言われています。人体に存在する多くの細胞には、この甲状腺ホルモンを受け取るための受容体があると言われており、成長期の発育に対する影響は大きいと思われます。

また甲状腺ホルモンはそれを受け取った細胞のエネルギー代謝を活性化させ、糖・脂肪・蛋白質をエネルギーに変換しやすくする役割もあると言われています。これも新陳代謝をスムーズにするためです。尚、これによっては単純に「基礎代謝」が上がる事になります。それに伴い、例えば筋トレの効率が上がったり、筋肉が上手く筋力を発揮できるようになって疲れにくくなったり、運動を行った際に脂肪を燃焼しやすくなったり、脳が活性化されて集中力が増したりなどの効果もあります。

一方、甲状腺ホルモンの分泌が悪くなると、糖・脂肪・蛋白質の代謝が悪化する事になるため、例えば筋肉に上手く力が入らなくなったり、体を少し動かすだけですぐに疲れてしまったり、運動をする度に筋肉が萎んでいったり、怪我が治りにくくなったり、頭がボーッとして集中力が低下するなどの事が起こる事があります。そのように発育に必要なのはもちろんですが、心身の健康を維持する上で非常に重要なホルモンと言えます。



先天的に甲状腺機能を低下させる病気について知ろう

甲状腺ホルモンはその分泌を行う機能を低下させる様々な病気があります。特に甲状腺機能を低下させる病気としては、生まれつき甲状腺機能が低下する「先天的甲状腺機能低下症(クレチン症)」と、生まれた後に甲状腺機能が低下する「後天性甲状腺機能低下症」の2つに分けられます。ちなみに日本ではデータにもよりますが、甲状腺機能低下させる病気全体では「3千人に1人」という割合で治療を受けており、男性よりも女性の方が発症する割合が高いと言われています。特に女性は女性ホルモンの影響で早々に骨端線が閉鎖するため、甲状腺ホルモンの分泌が悪くなると、身長の伸びが更に悪くなる可能性が高いです。


先天的なケース、後天的なケース、どちらも様々な原因によって甲状腺機能が低下し、それによって甲状腺ホルモンの分泌が著しく悪くなってしまう病気です。生まれつきの場合を考えてみると、例えば甲状腺そのものがなかったり、甲状腺があってもその大きさが小さかったり、甲状腺の位置がずれていて上手く働く事ができなかったり、甲状腺の大きさや位置は正常なのにホルモンを作り出す能力が低かったり、甲状腺自体は正常でも甲状腺ホルモンを受け取る細胞側の受容器に問題があったり・・・などの理由が挙げられます。

特に甲状腺は「子どもが母親のお腹の中にいる間」に、母体からの影響を強く受けると言われています。例えば妊娠中の母親がヨウ素を摂り過ぎたり、逆に不足してしまったり、免疫系の病気に罹ったり、強い放射線を受けたり、何らかの事故で大きな衝撃を受けたり、ストレスや過労が続いていたり、あるいは遺伝子的な問題で前述のように甲状腺が正常とは異なるなどの理由が考えられます。それらによって胎児の甲状腺機能が早期に低下すると、生まれた時点で既に子どもに「発育不全」が現れます。すなわち甲状腺が正常に機能しない事で、身長はもちろん臓器なども十分な発達ができないまま生まれてくる可能性がある訳です。これは遺伝子的な問題は除き、できるだけ避けなければなりません。

一方、生まれつき甲状腺機能が低下している場合でも、もちろん程度によりますが、治療によって完全に近い形で回復できる場合があります。特に生まれてから「2〜3ヶ月」における甲状腺機能の低下は、その後の「知能の発達」にも大きな影響を与えると言われています。またその後も分泌異常が長期間続いた場合、精神発達にも大きな影響を与えると言われています。このため先天的に甲状腺機能が低下している場合、できるだけ早期に治療を開始しなければなりません。両親は見逃さないようにしましょう。



後天的に甲状腺機能を低下させる病気について知ろう

甲状腺機能が後天的に低下するケースは珍しく、甲状腺機能を低下させるケースは、実は「80%が先天的なケース」と言われています。一方、後天的に甲状腺機能が低下する場合、例えば食習慣による長期に渡るヨウ素の不足、交通事故など突発的な事故による甲状腺の損傷、放射性物質の蓄積、高い放射線を浴びる、免疫不全(自分の免疫で自分の甲状腺を攻撃してしまう)などによって起こると言われています。

突発的に起こるようなものの中には原因不明とされているものもありますが、後述のようにストレスや過労など生活習慣による影響を受けて発症する事があります。中でも大きな原因となっているのがそのように「自分の免疫」によるものです。

これについて簡単に説明すると、何らかの原因で甲状腺で作られる「チログロブリン」という蛋白質が血中に現れ、自己免疫によってそのチログロブリンに対する抗体を体内で勝手に作り出し、その抗体が甲状腺を攻撃してしまうというものです。甲状腺に蓄えられたチログロブリンは甲状腺刺激ホルモンによって分解され、その結果として甲状腺ホルモンとして行き渡ります。つまり「甲状腺ホルモンの量が減る」という事であり、それが思春期以前や思春期中に起これば、身長の伸びに悪影響を及ぼす事になるでしょう。

尚、この自己免疫性甲状腺炎の中には、特に思春期以降の女性にかかりやすい「慢性甲状腺炎(橋本病)」や、思春期以前の女性でもかかる事のある「萎縮性自己免疫性甲状腺炎」などがあります。やはり甲状腺機能を低下させる病気は女性の方がかかりやすいのです。特に女性の場合、思春期を迎えた時点で女性ホルモンの影響によって急速に身長の伸びが止まりますから、早期に発見し治療を行う事が重要になります。

ちなみに後天的に起こる場合、例えば今まで順調に身長が伸びてきた人はその成長速度が急に遅くなり、それがサインになります。その他では代謝異常が起こる事で、全身や体のどこかがだるく感じたり、記憶力や集中力の低下などが起こる事もあるようです。そこですぐに気づく事ができれば、今の時代では殆どの場合で治療によって改善する事ができます。しかしこれらの症状は風邪と誤認する事も多いため、繰り返しになりますが、特に女性では決して軽視すべきではありません(当然男性もかかる事があるので注意)。できるだけ早く異変に気づき、治療を開始(内分泌科など)するようにしましょう。



甲状腺ホルモンは何から作られている?

Now Foods チロシン

これはチロシンを摂取する事ができるサプリメントです。摂取量は1日1〜2gが目安、タイミングは起床後や運動前(2〜3時間前)がオススメです。

ここからは甲状腺ホルモンの分泌を正常化するために最低限できる事を考えてみます。まず甲状腺ホルモンはアミノ酸の一種である「チロシン」や、ミネラルの一種である「ヨウ素」などから作られています。よって甲状腺ホルモンの分泌を促すためには、チロシンの供給源である蛋白質、及び9種類の必須アミノ酸(特にフェニルアラニン)を摂取する事と、ヨウ素を摂取する事が重要になります。

蛋白質及び必須アミノ酸は肉、魚、卵、乳製品、大豆などに多く含まれており、それらを定期的に食べる事が重要です。特に動物性の食品である肉、魚、卵が良い摂取源になるでしょう。それらが苦手な場合はプロテインをオススメします。またヨウ素は海産物全般に含まれていますが、特に海藻類が良い摂取源になります。ワカメ、コンブ、メカブ、ヒジキ、アオサなどを定期的に食べるようにしましょう。ちなみに蛋白質は糖と一緒に摂取する事で吸収率が高まります。また蛋白質は火を通した方が吸収率が良いです。

一方、ヨウ素に関しては元々の必要量は多くない微量ミネラルの一つであり、特に島国の日本では比較的摂取する機会に恵まれています。好き嫌いやアレルギーでもない限り、通常、不足する事は稀です。サプリメントも一応はありますが、基本的には不要でしょう。またヨウ素を豊富に含む海藻類は全体として塩分(ナトリウム)が多く、その過剰摂取が問題になる事もあります。もちろん海藻類それ自体がナトリウムの排出を促すカリウムを豊富に含んでいるのですが、それ以上にナトリウムが多いのです。可能ならば別の植物性の食品を食べ、カリウムを別途補給するべきです。

ちなみにカリウムは大豆、芋類、緑黄色野菜、果物、ナッツ類、キノコ類に多く含まれています。海藻類を食べる場合、それらを一緒に食べると良いでしょう。



甲状腺ホルモンの分泌が悪くする生活習慣

甲状腺ホルモンは前述のようにアミノ酸とヨウ素から作られます。何らかの原因でそれが不足していたり、あるいは摂取量よりも消費量の方が勝っていた場合、甲状腺ホルモンの分泌が悪くなる事があります。まずは食習慣と運動習慣を見直すべきでしょう。一方、甲状腺ホルモンは脳下垂体から分泌される「甲状腺刺激ホルモン」の刺激によって分泌されます。またその「甲状腺刺激ホルモン」は、視床下部から分泌される「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン」の刺激によって分泌されています。

この内、視床下部は大脳と中脳の間にある「間脳」という場所にあり、ここは自律神経の中枢部分です。自律神経は「活動」の交感神経と、「鎮静」の副交感神経から成り立っており、特にストレス反応において重要な役割を果たしています。例えばストレスを受けると交感神経が興奮し、血圧を高めたり、呼吸を速めたり、心臓の鼓動を速めたりします。しかしその反応が過剰に起こると心身に大きな負担となるため、副交感神経が交感神経をコントロールし、常にお互いが上手くバランスを取り合っています。

一方、ストレス環境では交感神経が働く頻度が高まり、その交感神経の興奮を抑えようとして副交感神経が働く頻度も高まります。すると、お互いがお互いを抑えつけ合い、次第にどちらも疲れてしまいます。これによって自律神経のバランスが崩れる事で、甲状腺ホルモンの分泌にも影響を与える事があります。過度なストレスには十分な注意が必要です。

また脳下垂体とは、脳の前方下側に垂れ下がるようにして存在する組織の事で、甲状腺刺激ホルモン以外にも様々なホルモンを分泌しています。例えば成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモンなどです。甲状腺刺激ホルモンはこれらと同じ場所から分泌されるため、他のホルモンの分泌が不安定になった時、甲状腺刺激ホルモンも釣られて不安定になる事があるようです。

完全には分かっていないようですが、脳下垂体及び甲状腺に悪影響を及ぼすと言われているのが、睡眠習慣の乱れ、過度なストレス(肉体的・精神的、その両方)、過労、免疫力の長期的な低下(風邪に何度もかかり続けるなど)、喫煙・飲酒、暴飲暴食、過度な食事制限などです。それらの中でもやはり大きな影響を与えると言われているのが「過労」と「ストレス」です。それに関しては意識的に改善できる部分があります。

その他、子どもでも環境によっては喫煙(親が喫煙者)や飲酒(未成年の飲酒)も大きな問題になります。食習慣と運動習慣はもちろんですが、生活習慣全体、及び生活環境を細かく見直す必要があるでしょう。



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