緑黄色野菜にはビタミンC、ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンKなどのビタミンが豊富に含まれています。また植物性の食品であり、カリウムや食物繊維も豊富に含まれています。ここではそんな緑黄色野菜について私なりに考えた事を書いてみます。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

★当記事の目次
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●そもそもビタミンCとは?その特徴を理解する

ビタミンCは蛋白質の一種であるコラーゲンの合成に必要なビタミンです。コラーゲンは皮膚、筋肉、腱、靭帯、骨などに存在しており、それらの構造を適切に保つために使われます。またビタミンCには強い抗酸化作用があります。酸化は蛋白質のスムーズな合成を阻害しますが、ビタミンCは自身が代わりに酸化される事で蛋白質を保護してくれます。その他、免疫力の維持にも必要で、風邪にかかりにくくするなどの作用もあると思われます。
「身長を伸ばす」という点で言えば、コラーゲンは骨の芯の部分や軟骨組織に多く存在しています。そのコラーゲンを作るためにビタミンCが必要、すなわち骨を効率良く作るためにはビタミンCが必要です。また身長が伸びる際には骨だけが伸びる訳ではありません。周囲に存在する様々な組織、すなわち周囲にある蛋白質の合成がスムーズでなければなりません。ビタミンCはその成長もサポート(コラーゲンの合成と酸化の抑制によるもの)します。
一方、ビタミンCは水溶性ビタミンのため、字の如く、水に溶けやすいという特徴を持っています。このため一度に大量に摂取したとしても、すぐに排出されやすく、体に長期間蓄えておく事が難しいと言われています。またそのように水に溶けやすいので、調理の際に水洗いをしたり、水に浸して茹でたりすると、その水に流れ出てしまうと言われています。そのため水の量は最小限にし、使った水は再利用する必要があります。
更にビタミンCは熱に弱いという特徴を持っています。特に調理の際に熱する事で、酸素との反応が進み、酸化されて失われてしまうと言われています。また食品の保存環境によっても失われてしまう可能性があります。つまり酸化されやすいため、時間経過で勝手に酸化してしまうのです。このようにビタミンCは、自分では意識的に摂取していると思っていても、実際には不足しているという事が多いです。効率良く摂取する工夫が必要でしょう。
●ビタミンCを多く含む緑黄色野菜を知ろう

ビタミンCを多く含む緑黄色野菜の名前を挙げると、例えば赤ピーマン、黄ピーマン、芽キャベツ、ケール、緑ピーマン、モロヘイヤ、ブロッコリー、カリフラワー、カボチャ、シソ、アシタバ、チンゲンサイ、ナズナ、パセリ、ホウレン草、小松菜などがあります。ただし前述のように熱や水に弱いので、効率良く摂取するには、それらを生で食べる必要があります。
オススメはカボチャ(生で可能だが外側は洗う。火を通せば皮も食べる事ができるがビタミンCは失われる)、ピーマン(外側は洗う。生でも可能だが青臭い)、小松菜(農薬の問題がなければ)ですね。その他の食べ方ですが、葉物野菜はそのように農薬の問題があったり、単純に硬かったり、青臭かったり、あるいはアク抜き(特にホウレン草のシュウ酸)が必要な場合もあるので、通常は水洗いし、軽く茹でてから食べます。その点、カボチャ、ピーマン(味は別として)、小松菜は生でも食べる事ができオススメです。
特にビタミンCを多く含むのが、赤色のピーマンと黄色のピーマンです。通常の緑のピーマンの倍以上のビタミンCが含まれており、定期的に食べる事をオススメします。その他、赤・黄色ピーマンと同等のビタミンCを含むのが芽キャベツです。ただし芽キャベツはホウレン草と同様、シュウ酸が含まれていおり、アク抜きが必要なのでいくらか栄養価は落ちます。
尚、例えばスムージーや野菜ジュースなどでビタミンCを補給しようとする人もいるかも知れません。飲まないよりはマシですが、そのような摂取の仕方は効率良くありません。前述したようにビタミンCは一度に大量に摂取しても無駄が大きいのです。毎食時に食べ、毎日少しずつ補給するようにしましょう。全てを食品だけで補おうとせず、個人的には必要に応じてサプリメントを利用した方が良いと思います。
●ビタミンAを多く含む緑黄色野菜を知ろう

緑黄色野菜にはビタミンAも豊富に含まれています。ビタミンAにはビタミンCと同じく抗酸化作用があり、特に皮膚や粘膜の健康維持に必要と言われています。ちなみによく言われるのが「視力の維持及び回復に効果がある」という事ですが、これはビタミンAが視細胞の構成要素に必要不可欠なものだからです。しかし残念ながら視力が物理的に向上する事はありません。
そんなビタミンAですが、動物性の食品に含まれているレチノールと、植物性の食品に含まれているβ-カロテンに分けられます。この内、効力が強いのはレチノールの方で、体内ではこちらが優先的に使われます。ただし体に蓄積しやすく、過剰摂取のリスクがあります。一方、β-カロテンはレチノールよりも効力が弱いですが、レチノールの不足分に応じて使われるため、過剰摂取のリスクが低いと言われています。このためビタミンAを摂取する場合、あくまでレチノールの摂取を基本とし、一部をβ-カロテンで置き換える事が重要です。β-カロテンと聞くと健康に良いイメージもありますが、β-カロテンだけではビタミンAとしては不足します。野菜だけではダメという事です。
そんなβ-カロテンを豊富に含む緑黄色野菜としては、例えばシソの葉、モロヘイヤ、小松菜、ニンジン、ヨモギ、西洋カボチャ、ケール、クレソンなどが挙げられます。それらを定期的に食べると良いでしょう。オススメはシソの葉、ニンジン、小松菜、モロヘイヤです。特にビタミンAは脂溶性なので脂肪(油)と一緒に摂取する事で吸収率が高まります。例えばニンジンならオリーブオイルで軽く炒めて食べると良いでしょう(あまりに高熱だと酸化してしまうので、軽く炒める程度)。
尚、ビタミンAについて「身長を伸ばす」という点で考えれば、ビタミンCと同様、ビタミンAにもそのように抗酸化作用があるため、細胞を酸化から保護してくれます。これによりスムーズな蛋白質の合成が可能になります。つまり「抗酸化」も、実は身長を伸ばす上で重要なものなのです。ただし動物性の食品を全く食べなかったり、運動量がよっぽど多かったりしなければ、不足する事はあまりなく、基本は食品で十分です。つまりサプリメントは不要と思われます。
●カリウムを豊富に含む植物性の食品

緑黄色野菜には全体としてカリウムも豊富に含まれています。カリウムには細胞内外の水分量を調節する役割があり、特にナトリウム(塩分)の排出に必要と言われています。ナトリウムは過剰摂取により高血圧の原因になるなど、様々な病気の引き金になると言われています。このためカリウムは一般的に「健康に良い栄養素」として認知されています。
特に蛋白質を豊富に含む動物性の食品には、魚のように塩分が多く含まれていたり、あるいは塩を多く使った調理法があります。身長を伸ばすためにはそういった食品を食べる事も重要になりますが、ナトリウムの摂取量が増えればカリウムの必要量も増えます。動物性の食品をたくさん食べる場合、カリウムを豊富に含む緑黄色野菜を食べ、バランスを取ると良いでしょう。
尚、これはナトリウムを制限しろ、と言っている訳ではありません。ナトリウムも人体にとってなくてはならない栄養素の一つであり、不足すると体温調節機能が低下したり、筋肉の機能が低下したり、あるいは骨が脆くなったりする事もあります。要はどちらか一方を摂取したり制限したりする事で、バランスが損なわれる事が問題なのです。運動量が多い人ではナトリウムもカリウムも必要量が増えるので注意しましょう。
●ビタミンKや葉酸を多く含む緑黄色野菜を知ろう

緑黄色野菜の中でも、特に緑色の濃い野菜には、ビタミンKや葉酸が豊富に含まれています。この内、ビタミンKにはカルシウムの吸収を促す作用があり、身長を伸ばすためのサポートになります。また葉酸も蛋白質の代謝を補助する役割があり、これも身長を伸ばすために必要不可欠な栄養素です。ちなみに葉酸が不足すると貧血になる事もあります。これは葉酸がDNAの合成に深く関わっているからで、合成が活発な血液を作るのに必要です。
ビタミンKを豊富に含む緑黄色野菜を挙げると、例えばパセリ、シソ、モロヘイヤ、アシタバ、チンゲンサイ、パセリ、ホウレン草、小松菜などが挙げられます。これらの中では栄養価の高いシソと小松菜がオススメです。一方、葉酸は芽キャベツ、モロヘイヤ、パセリ、ブロッコリー、ケールなどが挙げられます。これらの中では芽キャベツとブロッコリーがオススメです。その他、ビタミンKと葉酸は大豆にも多く含まれています。特にひきわり納豆がオススメです。また葉酸は各種レバーにも多く含まれています。
尚、葉酸は水溶性ですが、ビタミンKは脂溶性です。よってビタミンKは脂肪(油)と一緒に摂取する事で吸収率が高まります。脂溶性と聞くと過剰摂取が心配されますが、ビタミンKでは危険な副作用がなく、排出されやすいとも言われているので、過度な心配は不要と思われます(食品では稀な事、サプリメントでは用法用量を守れば問題ない)。一方、葉酸はそのように蛋白質の代謝に必要なので、成長期、妊娠前〜授乳中は必要量が増えます。可能ならサプリメントを利用し、不足しないように努めるべきです。
食物繊維の過剰摂取には注意する
緑黄色野菜には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は消化酵素で分解する事はできませんが、腸内細菌の餌となり、緩やかに分解される事で、腸内環境を整える役割があると言われています。これによって俗に「便通の改善に効果がある」などとして、多くの日本人は意識的に摂取しています。特に腸内細菌が合成するビタミンB群とビタミンKは重要です。尚、食物繊維には糖の吸収を緩やかにする作用があるとされ、これにより血糖値の上昇を緩やかにする効果も期待されているようです。
しかし食物繊維はそのように消化酵素によっては分解されない上に、糖・蛋白質・脂肪とは違ってエネルギーとしても殆ど利用されません。しかも水を吸って大きく膨らむ(これにより腸の壁を刺激し排便を促す)ため、少ない食事量でも大きな満腹感を得る事ができます。それにより食事全体の量が減り、エネルギー不足(省エネ体質→筋肉が落ちる→基礎代謝が低下する)になったり、逆に栄養バランスが偏ってしまう可能性があります。
「健康に良い」として有名な食物繊維ですが、それにばかり固執せず、全体的な栄養バランスを考えましょう。間違っても食物繊維や発酵食品だけで便通を良くしようなどと考えないように。そもそも腸内環境には食習慣以外にも様々な要素が関係しています。便通改善には生活習慣全体の見直しが必要です。
●緑黄色野菜に関わるオススメの商品について
もしアレルギーや好き嫌いなどで野菜不足が心配される方は以下のような商品をオススメします。ただしビタミンCに関しては前述のように一度に大量のサプリメントを飲んでも多くが無駄になりますし、ビタミンAに関しては過剰摂取のリスクがあります。基本的には普段の食事において少しずつ摂った方が効率的に吸収・利用する事ができます。
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