人類の進化の歴史について考える(個人的な趣味記事)

我々日本人の身長はアジアという範囲では高い方にあるのですが、日本人を含むアジア人は世界という範囲で見れば身長が低い部類に入ります。特にアジア人の身体的な特徴として共通しているのが、例えば足が短い、手や足が小さい、指が短い、胴長、撫で肩などです。これらの特徴は欧米諸国ではあまり見られません。

この記事では「アジア人がそういう容姿をしている理由はどこにあるのか?」という点と、逆にアジア外の人たちの「体が大きい理由はどこにあるのか?」という点について私なりに考えてみたいと思います。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、こちらの記事も合わせてご覧いただく事をオススメします。
→「平均身長が世界でもトップクラスに高いオランダについて
→「日本人の平均身長を日本の成り立ちから考えてみる

★当記事の目次

ここでは当記事内の章をリスト化しています。クリックする事で直接その場所へ飛ぶ事ができます。また戻りたい場合には各章の一番下にある「当記事の目次まで戻る」をクリックする事で再びこの場所に戻ってくる事ができます。



人類の二足歩行に伴う進化について考える

さる.jpg類人猿が二足歩行を「し始めた」のは現在より700万年以上前と言われています。場所はアフリカ大陸です。この時、ちょうど人類の祖先とチンパンジーの祖先が分かれた(ヒト亜科とチンパンジー亜科に分離)と考えられており、それより以前はというと、現在の猿と同じように木の上を中心に生活していたようです。木の上は比較的安全で天敵は殆どいなかったため、安定的に個体数を増やす事ができ、その過程で様々な種に枝分かれしていきます。

しかし当時は地殻変動によって森の減少が深刻で、個体数が多くなると次第に食料の確保が難しくなっていきます。食料がなければ、いくら安全な木の上でも生き延びる事はできません。そこで一部の種族は食べ物を求めるために陸上へ降りたり、別の森への長距離移動を試みるようになり、それが二足歩行の起源だと考えられています。もちろんその時点ではまだ「二足歩行をし始めた」程度であり、そこから更に300万年〜500万年という長い時間(現在より700万年前〜400万年前まで)をかけて、ゆっくりと二足歩行ができるような体へと進化していく事になります。その間、数百万年をかけ、様々な種に枝分かれしていきます。絶滅したり、新たに生まれたり、それをひたすら繰り返します。

尚、二足歩行に進化する過程では背骨が少しずつ起き上がってきます。これにより上肢にかかる体重が減るため、胸、腕、肩の筋力が低下します。しかし逆に下肢ではかかる体重が増えるため、足の筋力は強化されます。腕の筋力が下がっていくにつれ、当然木に捕まったり、登ったりする事は難しくなっていきます。一方、それによっては上肢がフリーになるため、歩行とは別の用途に使う頻度が増える事になります。最初は座った状態で上肢を使っていましたが、徐々に体を起こした状態でも上肢を使えるようになり、上肢を使い、より複雑な事を行う事ができるようになっていきます。これが脳の発達には不可欠だったと思われます。また足の筋力が上がっていくにつれて、陸上での長距離の移動、及び長時間の行動が可能になります。こうして陸上で生活をする時間を徐々に増やしていったと思われます。


ちなみに実際に二足歩行ができるような体へ進化したのは、現在から400万年前〜200万年前と言われています。もちろんその間も様々な種族が枝分かれしています。特に代表的なのが同時期に存在したアウストラロピテクスで、これは骨格的に完全な二足歩行が可能だったと考えられています。身長は120〜140cmと言われています。またアウストラロピテクスから枝分かれした種の中には、特に脳が大きく発達した「ホモ(ヒト属の事)」が生まれています。その内の一つがホモ・エレクトスやホモ・エルガステルで、その亜種及び仲間の一つが更に枝分かれして生まれたのが、我々の祖先の種であるホモ・サピエンスだと考えられています。尚、ホモ・エレクトスの時点で既に身長は140〜160cmあり、現代人と比べて遜色ないレベルになっています。

我々の祖先の種、すなわちホモ・サピエンスが最初に登場したのは、現在より25万年ほど前と考えられています。分かっていないものを含めれば、当時、他にも多くの種が存在していたようですが、十数万年をかけ、我々の祖先の種以外の種は全て絶滅したと考えられています。つまりホモ・サピエンスも枝分かれしており、最終的には我々と同じ種である「ホモ・サピエンス・サピエンス」のみが生き残り、その遺伝子が現在まで残っていく事になります。



人類の脳の進化について考える

陸上は巨大な肉食獣や草食獣が支配する「弱肉強食」の世界であり、まさしく「強者」しか生きる事ができない厳しい時代でした。陸上に降りたばかりの我々の祖先にとって、それはそれは恐ろしい世界だった事でしょう。しかし食料が乏しく、そのままでは絶滅してしまうため、陸上で生きる道を選ばざるを得なくなります。この「何かをしなければ生き残れない」という生存本能は、種を進化に導くための条件と言われています。生命に危機が及ぶほど遺伝子が選別され、より優秀な遺伝子が生き残り、それが繰り返される事で、その遺伝子が定着していきます。その結果、我々の祖先は「脳」を進化させて大きくする道を選びます。

脳.png種を存続させるためには「自分の身に危険が及ぶような事は避けながら、水や食料を確保し、できるだけ長く生き延び、自分の子孫をできるだけ多く残す」という事が重要です。これは現代に存在する様々な動物でも同じ事です。

では我々祖先がどうしたのかというと、まず「未然に危険を察知する能力」を向上させました。目や鼻、耳など五感を発達させ、巨大な動物が接近してくる前に、それを察知し、その場から回避する事にしたのです。それによっては五感からもたらされる情報が多くなり、その複雑な情報を処理するために脳が少し大きくなりました。

しかしそれだけでは単に「危険を察知した」だけであり、もし見つかってしまった場合、簡単に追いつかれてしまいます。例え二足歩行が上手くできるようになっても、身体能力の優れる動物にはとても敵いません。そこで今度は「次にどのような行動をしたら、より危険を回避する事ができるか」という事を考えるようになります。例えば咄嗟に木の影に隠れたり、木の上に登ったり、水場に移動したり、あるいは出会う前から周囲を警戒し、音を立てずに移動したりなど、今までは本能的に行っていた回避行動を、そうしてその時の状況に応じて自分の頭で考えて行動するようになります。それによっても脳が少し大きくなりました。

しかし「食料の不足」があり、体力には限りがあります。特に体と脳の発達に伴い、エネルギー消費量が少しずつ大きくなっているので、食料がなければ脳や体のパフォーマンスを維持できません。そこで「普段食べる事のないものを食べて飢えを防ぎ、できるだけ長く生き延びる」という事も重要になります。例えばこれは食べる事ができるもので、これは食べる事ができないもの・・・といった感じです。ただし活動範囲が広がるほど体力を温存する必要があり、また無闇に食料を求めて探し回ってもリスクが増えるだけです。そこで「この場所にあるこの食べ物は食べる事ができる・できない」「危険な動物の生息する範囲を記憶し、そこを避けて歩く」など、一定期間の記憶を行えるように脳が進化していきます。

更により多くの食料を確保するため、そのままでは食べる事ができないものを、加工して食べる術を覚えていきます。例えば通常であれば食べる事ができない硬い木の実も、何かで潰したりすれば食べる事ができます。現存するオランウータンなんかも、石を木の実に叩きつけて割って中身を食べる事ができますが、それを行う事ができる種の方がより生き残る可能性が高いため、「考える」事ができるように脳を進化させます。最終的には石や木などの道具を使うようになり、また後述のように自分の身を守るために武器や防具を作るなど、上肢をより細やかに使うようになります。それが脳の発達に大きな影響を与えます。

一方、食料というのは別の動物が独り占めにしている事もあります。そのため、ただでさえ食料に困っている我々の祖先は、貴重な食料を他から奪う方法を考えるようになります。また食料を確保するために邪魔な存在を、自らで排除するという事も考えるようになります。ただしいくら脳や体が進化しても、自分よりも大きな動物に対して一人では太刀打ちできません。そこで自分よりも強い動物と対峙するため、「一人での行動よりも集団での行動の方が効率が良い」という事に気づいていきます。それによって集団での行動のため、仲間と意思疎通を行うためのコミュニケーション能力が必要になり、声、ジャスチャー、表情などの方法が生まれます。また自分の属する集団の人数が増えれば、意思疎通の方法はより複雑・多種多様なものになり、それぞれが効率良く動くために考えながら行動するようになります。これによって脳の発達を加速させていきます。

そうして狩りによって動物の肉を安定的に確保する事ができるようになると、豊富な「動物性の蛋白質」を摂取できるようになります。それによって栄養状態が劇的に改善され、脳だけでなく体もどんどん大きくなっていきます。また体が大きくなった事で、その大きな体をコントロールするために更に脳が発達します。このように良い循環が起こり、脳はどんどん大きくなっていきます。


ちなみに人類が最初に道具を作ったのは、少なくとも石器として証拠が残っている260万年前よりも前(それ以前は判別できないため)、最初に火を利用したのは170万年前〜20万年前の辺り(自分で火を起こしていた訳ではなく、自然発火の残り火を利用していた)と考えられています。また現在から10万年ほど前、アフリカ大陸各地に広がった我々の祖先は、道具の制作や使用、あるいは行動を急速に多様化・精錬化させています。更に現在から6万円前以降では徐々にアフリカ大陸外への移動が始まり、それがヨーロッパ人の原点になっています。そして3万年前には現代人にも見られるような一般的な行動が見られたようです。これらの事から脳の進化は現在から数万年前までは続いていたと考えられます。一方、言語の起源は確固たる証拠がなく、現在まだ分かっていません。また文字についても紀元前3200年頃に登場した楔形文字以前も、何らかの文字があったと思われますが、確固たる証拠はありません。



遺伝子は命の危険と世代交代によって極まっていく

前述した進化の過程は、言い換えれば「脳が小さい者は生き残る事ができない」という事であり、人類の進化にはそれが必要でした。例えば脳を大きくする遺伝子を持つ子どもが偶然生まれた場合、その個体は当然今までの個体よりも「考える」という事に優れています。またその個体が成長し、通常の遺伝子を持つ別の個体と交配して子どもが生まれた場合、確率で脳を大きくする遺伝子がその子どもへと引き継がれます。同じようにしてその子どもが成長し、通常の遺伝子を持つ別の個体との間に子どもが作れば、その子どもにも確率で脳を大きくする遺伝子が引き継がれます。それをひたすら繰り返していくと、いずれは「脳を大きくする遺伝子を持つ個体同士」が交配する事になり、脳を大きくする遺伝子を持つ個体の数が増えていきます。そうして脳を大きくするという遺伝子の濃度はどんどん高まります。

初期の類人猿は寿命が短く、交配のサイクルが速かったので、「脳が大きい」という突然変異が一度起きると、それは物凄いスピードで広がっていき、また濃度が高まっていきます。その結果、思考力や記憶力が高く、鋭い五感を持ち、複数人との意思疎通ができ、また長時間の活動が可能な体、病気に強い体を持った個体のみが最終的には存在するようになり、それが現在の人類の容姿を形成していきます。我々の祖先であるホモ・サピエンス(人類)が最初に登場したのは現在から25万年前の事ですが、それまでは、そうして長い時間をかけて進化してきたのです。

これら進化の過程は全て「命の危険」による「生存本能」がきっかけです。それは現代の我々人類からすれば全く想像できませんが、例えば「ジャングルの中で暮らし、ヤリなど道具を使った狩猟によって野生動物を捕らえ、それを食料にする」というような原始的な民族は、現在でも世界中に存在しています。「命の危険に晒される」という意味では、彼らは進化してきた類人猿と似ています。脳を大きく発達させるためにはそうした「命の危険」が必要なのです。

尚、それに関しては体の大きさでも同じ事が言えると思います。体力がなければ生き残る事ができないような環境では、体が大きく進化します。アジア人は欧米人と比べて体が小さいですが、おそらくその環境が足りていなかったのです。また寒冷地では熱を作る能力を高めるため、体重が増えると言われています。これも欧米人の体が大きい理由の一つです。

特にアフリカ大陸からヨーロッパ大陸へと渡った人たちは、北部から徐々に南下し、ヨーロッパ各地へ移動、その後、一部がユーラシア大陸を横断(現在から2万5千年前)、その一部は南下してアジア各地に、またその一部はそのまま東へ向かってアメリカ北部(当時陸続きだった)に向かい、アメリカ大陸を南下(現在から1万5千年前)、そして更に南下してアメリカ南部末端にまで行き着き、それがアメリカ大陸の先住民族になります。一方、ヨーロッパ大陸の民族はしばらく定住後、1493年頃になってようやく海を渡ってアメリカ大陸に行きます。ヨーロッパ人が元となっているからこそ、アメリカ人も体が大きいのです。



アメリカ合衆国を例に体が大きい理由を考えてみる

アメリカ.jpg「海外の人の体が大きい=優秀な遺伝子が現在まで強く残っている」という事は、国の歴史から考えると分かりやすいと思います。

例えば「アメリカ合衆国」ですね。アメリカは世界に対する影響力と、その国土が大きいので、日本人は「歴史が長い」という印象を持っている人も多いですが、実は現在の「アメリカ合衆国」となったのは1787年からで、国になってから200年ちょっとしか経っていません。それ以前はというと、数々の戦い(紛争や戦争)を繰り返す事によって国を大きくしてきたという過去があります。ちなみに日本は2600年以上前から日本で、名前を変えていない国の中では最も古い国と言われています。

では、話を戻しますが、元々アメリカ大陸に住んでいたのは「アメリカ先住民族」であり、彼らは現在から約3万年前〜1万5千年前に、シベリア→アラスカ→アメリカ大陸と渡った民族(「インディアン」という名称は現在ではあまり使われていない)です。最初にアメリカ大陸に渡ってきた人数は少なかったようですが、広く散らばり、色んな場所で小さな部族を形成し、それぞれの部族において少しずつ人を増やしながら大きくなっていきます。その枝分かれした部族・言語・文化は、現在では細かすぎて分類できないほど多かった(敢えて過去形)と言われています。

しかし1493年頃からヨーロッパの人々がアメリカ大陸に渡り始めます。そのきっかけとなったのが、アメリカ大陸へ最初に渡ったとされている、あの「コロンブス」です。それ以降、特に16世紀(1500年台前半)頃からは、広大なアメリカ大陸を植民地化しようと、多くの国が競い合うようになります。植民地化を加速させるヨーロッパ人はアメリカ大陸を我が物とするため、先に住んでいたアメリカ先住民族に対して不当な扱いをしました。強制的に移住を強いたり、不当に働かせる奴隷にしたりなど、正直やりたい放題で、抵抗する各地のアメリカ先住民族との間で度々衝突も起き、それによって多くの命が失われたと言われています。

それに加え、アメリカ先住民族は、ヨーロッパ人が持ち込んだ、ヨーロッパに存在する様々な病気によっても急速に数を減らします。これはアメリカ先住民族に「ヨーロッパに存在する病気」に対する免疫がなかったため、例えばインフルエンザ、チフス、はしか、天然痘など、現代においても重症化すると命に危険が及ぶような病気によく罹りました。その事もあって、ヨーロッパ人が来る前には200万人ほどいたアメリカ先住民族が、19世紀後半(1800年代後半)には25〜30万人ほどにまで数を減らす事になります。

20世紀後半(1900年代後半)のアメリカ先住民族の数は、一応140万人以上にまで回復していますが、特にアメリカ大陸では1787年にアメリカ合衆国として建国された後も、そういった国同士、宗教同士、民族同士などという争いが絶えませんでした。例えば1800年代後半の南北戦争や西部開拓によるインディアン戦争、1900年代の世界大戦などが挙げられます。この時代は世界中で領土を広げるために争いが繰り返されており、その争いの度に多くの人が命の危険に晒されてきました。それらの危険が進化において重要な役割を果たしたと思われます。

特に伝染病での命の危険に関しては、「病気に強い遺伝子」が精錬されるための大きなきっかけになったはずです。病気に罹っても生き残る事ができる人は当然病気に強い遺伝子を持っており、世代交代を繰り返す事でその遺伝子はどんどん濃くなりますから、それ以降、アメリカ先住民族は病気の強い人が増えたのだと思われます。一方、いくら免疫のあるヨーロッパ人でも、強い感染力のある病気が蔓延すれば、現地で同じ病気にかかった人もいたはずです。つまり海を渡ったヨーロッパ人にとっても、病気の強い遺伝子をより強くするきっかけになったと思われます。また体が丈夫であれば、食事や運動の量も増えますから、間接的には体の大きさにも良い影響を与えていたはずです。

ただし奴隷化された先住民族と、それを服従させるヨーロッパ人との間では、大きな格差がありました。アメリカ先住民族がいくら病気に強くなっても、その体を維持するためには豊富な食料とそれを手に入れる継続的なお金が必要です。しかしそれが自由にできるようになるのは、20世紀後半やそれ以降であったため、その間、体格に優れるヨーロッパ人の遺伝子の方が、より後世に残ったと考えられます。アメリカ人の体が大きいのはそれが理由です。



参考記事一覧

<お知らせ>
当ブログが電子書籍になりました!
ご興味のある方は「電子書籍について」からどうぞ!!

↓当ブログを応援して下さる方は1日1回で構わないのでクリックをお願い致します↓
インフォブログFC2ブログランキング人気ブログランキングブログ王ブログランキングならblogramにほんブログ村