ダイエットで低身長?エネルギー不足に注意しよう

日本人はダイエットに対する関心が高く、食事を制限して痩せる事が健康に良いと信じられています。一方、食事を制限する事ではエネルギーが不足し、身長の伸びに悪影響を及ぼします。この記事ではそんな「ダイエット」と「身長を伸ばす事」の関係について私なりに考えた事を書いてみます。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、ダイエットは女性の方が関心が高いので、この記事では主に女性とダイエットの関係について書いています。もちろん男性についても少し触れています。


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★当記事の目次

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ダイエットは心身に無理を強いる

日本人は「痩せる事」に対する意識が強く、特に女性ではおそらくダイエットの経験がない人の方が珍しいほど高い関心を持っています。そんな女性がダイエットを始める最初のきっかけになる事が多いのが、思春期前後における性ホルモンの分泌です。

そもそも思春期とは、性ホルモンの分泌を活発にする事で、大人の体に変化する事を促す期間の事です。それは男性も女性も変わりません。一方、女性の場合、女性ホルモンが大量に分泌され、その影響で全身に脂肪がつきやすくなります。その体の変化は誰もが経験する事です。しかし思春期中は心にも大きな変化を伴い、外部からのストレスに対して非常に敏感になります。何気ない一言でも、その人にとっては大きなストレスになるという事も多く、その積み重ねは精神状態を不安定化させる原因になる事があります。それにより心身に伴う大きな変化を受け入れる事ができなくなり、「太りたくない」一心でダイエットをしてしまいます。

また思春期を迎える頃になると、おそらく周囲にいる女性もみんなダイエットを始めるようになると思います。何故なら、周囲にいるみんなも、同じように心身の変化を受け入れる事が難しくなっているからです。更にそうして周囲の女性がダイエットをするようになると、自分もダイエットをしないと酷く不安になってしまいます。これは何故かというと、日本人は集団主義が強く、少数よりも多数が正しいと強く信じる国民性があるからです。特に日本人はみんな黒髪で痩せ型、身長も似通っており、それが多数派です。周囲と違う姿、あるいは違う行動をすると、自分が少数側になる可能性があり、日本人はそれを酷く恐れています。だからこそ周囲に合わせるようにダイエットを始めるのです。

しかしその「周囲から孤立する可能性がある」という恐怖は時には非常に大きなものになり、その恐怖から逃れたいという気持ちが強いほど、ダイエットに対する使命感も強くなります。その結果、無理な食事制限を伴うダイエットを繰り返すようになり、意図せず、将来のために必要な思春期前後の変化を無理やり抑えるような形になってしまうのです。



無理な食事制限はホルモンバランスを崩れさせる

例えば性ホルモン(男性ホルモンのアンドロゲンやテストステロン、女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロン)は、脂肪の一種であるコレステロールから作られています。食事制限を伴うダイエットではそんな脂肪、あるいはコレステロール(コレステロールは食事から直接吸収される)を極端に制限してしまう事も多く、それによって性ホルモンの材料が減れば、全体として性ホルモンの分泌バランスも崩れる事があります。

また脂肪の代謝には必須脂肪酸が必要不可欠です。特に必須脂肪酸にはω-3脂肪酸(α-リノレン酸、DHA、EPA)とω-6脂肪酸(リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸)があり、これらがお互いにバランスを取り合っています。食事制限を行うとこのバランスが崩れる事があり、脂肪の代謝が悪化してしまいます。そうなれば必要な場所に必要な分だけ脂肪が届かず、溜まりやすく燃えにくくなり、体のどこか一部分に偏る事もあります。尚、必須脂肪酸のバランスが崩れる事ではアレルギー症状が起こりやすくなる可能性もあります。これは何故かというと、ω-6脂肪酸がアレルギー反応に必要な物質(ロイコトリエン)の材料になっているからです。

もちろん脂肪はエネルギーとしても重要です。特に脂肪は生命活動の維持に必要な、エネルギーとして長期に安定して蓄えておく事ができます。そんな脂肪を極端に制限してしまうと、いわゆる「省エネ体質」となり、エネルギー消費の激しい筋肉などの蛋白質の成長よりも、エネルギーとして優秀な脂肪を節約しながら使い、「今を生きる」という事を優先させるようになります。これにより蛋白質の合成が滞り、筋肉が落ち、糖・脂肪・蛋白質といったエネルギー代謝、すなわち基礎代謝が低下します。そんな状態では身長を伸ばすどころではありません。またその状態で食事だけを戻せば当然リバウンドのリスクもあります。

更に、食事から摂取されるエネルギーが不足すると心も大きなストレスを受け、それによってアドレナリン、グルカゴン、コルチゾール、成長ホルモンなどのホルモンが分泌されます。これらのホルモンには「血糖値を上昇させる働き」があり、これによって血糖値が上がりやすくなります。その際、同じように糖も不足していると、糖の代わりに蛋白質を分解してエネルギー源にします。つまり蛋白質の代謝が余計に滞ります。またバランスを取るため、逆に血糖値を下げるインスリンの分泌も活発になります。つまり血糖値の上下動が起こりやすくなり、それが運動や睡眠の質を低下させたり、血管の壁及び細い血管がダメージを受ける事もあります

そしてコルチゾールなどのような副腎皮質ホルモンは、性ホルモン(アンドロゲンやエストロゲン)と同じくコレステロールから作られています。つまり副腎皮質ホルモンの材料は性ホルモンと同じであり、ストレスを受けて分泌量が増えると、性ホルモンの分泌にも何らかの影響を与える可能性があります。特に性ホルモンの過剰分泌はニキビ、薄毛、月経異常、異常行動などに繋がると言われていますが、過度なストレスはそれを更に悪化させます。尚、ストレスを受ける事で分泌されるコルチゾールは、過剰になると脳を萎縮させると言われています。

ちなみに一般的には、男性では男性ホルモンが、女性では女性ホルモンが分泌されるイメージがあります。しかし実は男性でも女性ホルモンが、女性でも男性ホルモンは分泌されています。その分泌量は少ないですが、多い方に対して抑制的に働き、バランスを取る役割があると言われています。特に思春期においてはどちらの分泌量も増えます。要はバランスが重要であり、ダイエットのような食事制限はそれを崩れさせる可能性があるのです。



無理なダイエットは思春期を早める

女性は思春期を迎える以前からダイエットを続けている人も多いです。特に最近では小さい頃からインターネットに触れる機会があり、自分の求める情報を誰でも手軽に手に入れる事ができます。それによって「〇〇を食べれば痩せる」「〇〇を制限すれば痩せる」という表面的な情報に触れやすく、小さい頃からダイエットを繰り返す人が増えているという話を聞きます。

前述したように思春期中に無理なダイエットを行うと、性ホルモンの分泌が崩れ、それと共に心身が不安定になる事があります。特に思春期は男女問わず将来子どもを生むための準備を行う期間ですから、できるだけ緩やかに終えたいです。しかしそうして思春期を迎える遥か前から継続してダイエットを行う事では、不安定になる事に加え、「思春期を早くに迎えてしまう」事があります。何故そのような事が起こるのかというと、これには「メラトニン(参考記事→メラトニンについて)」という別のホルモンが深く関係しています。

メラトニンは太陽が沈んだ頃から分泌が促され、太陽が昇ると逆に分泌が減るという特徴があります。つまり主に夕方〜夜間〜朝にかけて分泌され、脳や体に睡眠に入るための準備を促し、またその睡眠の質を高める役割があると言われています。一方、このメラトニン、実は「性成熟を抑制し、性ホルモンの分泌をコントロールする」という別の役割も持っています。

性ホルモンと聞くと、思春期中あるいは思春期以降に分泌されるというイメージがあると思います。しかし実際には思春期以前からも分泌されており、その蓄積が一定に達する事で思春期を迎えるスイッチが入ると言われています。メラトニンはそれを抑える事で思春期を迎えるのを遅らせ、いわゆる「早熟」を防いでいると考えられています。そのためメラトニンの分泌が不安定になると、性ホルモンの分泌が不安定になるため、思春期が早くに到来する事になります。思春期を終えれば身長は伸びなくなりますから、そうして思春期を早くに迎えてしまうという事は、すなわち「身長の伸びを悪くする原因になる」事を意味します。身長を伸ばす上で非常に重要なホルモンと言えるでしょう。

尚、そんなメラトニンですが、昼間に分泌されるセロトニンという別のホルモンから作られています。このセロトニン、メラトニンとは逆に太陽が昇っている時間帯に分泌が促され、心身を活性化させ、昼間の活動力の源になるホルモンです。更にセロトニンはドーパミンやノルアドレナリンなど、ストレスに関わるホルモンを制御する作用もあり、それによって精神状態を安定化させる役割があると言われています。つまりストレスを受けてセロトニンの分泌が不安定になると、メラトニンの分泌も不安定に→睡眠習慣が不安定に→ストレス耐性が低下→精神が余計に不安定に→性ホルモンの分泌も不安定に→思春期が早まる→身長の伸びが早々に止まる・・・という流れになる訳です。

またセロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸から作られています。アミノ酸は一般的に「蛋白質の多く含まれる食品」に豊富に含まれ、特に肉、魚、乳、卵といった動物性の食品に多く含まれています。食事制限ではそれらのような動物性の食品を制限する事が多いですよね。つまり無理なダイエットを行う事で蛋白質の摂取量が減ると、セロトニンやメラトニンの分泌が不安定になり、それに伴って思春期が早まり身長の伸びに悪影響を及ぼすのです。食習慣の乱れが睡眠習慣の乱れに、睡眠習慣の乱れがストレスに、ストレスが身長の伸びに・・・思春期中や思春期以前の子どもたちからしたら、そんな事は全く想像できないでしょうが、それらは全て繋がっているのです。これには小さい頃からの親による教育も重要になるでしょう。

ちなみに女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、骨にある骨端線を閉鎖させる作用があります。つまり女性ではこれが身長の伸び始めを早め、また伸び終わりを早める原因になっているので、その分泌時期が早まる事、すなわちメラトニンの分泌が上手くできず、思春期の時期が早まるという事は何としても避けなければなりません。女性が無理なダイエットをする事ではそれが顕著に現れる危険がある・・・という事は強く認識しておくべきでしょう。



意図しないエネルギー不足・栄養不足にも注意する

前述したように食事制限をするようなダイエットを行って、摂取すべきエネルギーが制限されると、エネルギー消費の激しい筋肉の成長よりも「今を生きる」事を優先し、それによって生命活動の維持に必要な脂肪を、節約しながら少しずつ使うようになります。その状態では身長を伸ばす事も後回しにされてしまいます。つまり身長を伸ばすためには「エネルギー不足にならないような食事を、小さい頃から続ける事」が重要になります。

人体でエネルギーとなるのは糖、蛋白質、脂肪です。すなわち身長を伸ばすためには、蛋白質はもちろん、糖や脂肪を摂取する事も非常に重要です。当ブログでは「蛋白質を摂取する事」を重要視していますが、蛋白質だけでは消費されるエネルギー分を賄う事はできません。糖や脂肪も意識的に摂取し、少なくとも「消費するエネルギーを上回るようにしてエネルギーを確保する」事に努めるべきです。

尚、注意すべきなのは、大して食事制限をしていないにも関わらず、気づかぬ内にエネルギー不足が起こってしまう事です。1日に摂取すべきエネルギーの量は、基礎代謝と運動量によって大きく変わります。基礎代謝は高いと見積もれば良いにしても、人によって運動量は大きく違います。また好き嫌いやアレルギー、あるいは元々少食で食べる食品が偏りやすかったり、胃の容量的に食事量を増やすのが難しい場合もあります。そういった時、どのように効率良くエネルギーを確保し、かつビタミンやミネラルなど全体の栄養バランスをどのようにして確保するか・・・という事はよく考えなければなりません。

特にそのような時に利用すべきなのが間食です。胃の容量にはどうしても限りがあるので、一回の食事量を増やす事が難しい場合、間食を利用して栄養摂取する事を強くオススメします。つまり食事の量を増やすのではなく、食事の回数を増やしてしまおうという事です。前述のように脂肪はエネルギー源として優秀(糖や蛋白質と比べて倍以上のエネルギーがある)なので、脂肪の含まれる食べ物を意識的に食べましょう。

例えば小魚類、小エビ、大豆(納豆やキナコ)、ナッツ類(アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ、ゴマ)、乳製品(特にチーズ。牛乳はそれだけでお腹がいっぱいになってしまうので適さない)などがオススメです。その他、必須脂肪酸の摂取源としてアマニ油やエゴマ油、良質な脂肪ならオリーブオイル・MCTオイル・アボカドなども良いでしょう。一方、蛋白質の補給としてはホエイプロテインもオススメです。ただし軽食なのでガッツリ食べる必要はありません。揚げ物なんかは不要です。

ちなみに蛋白質を効率良く利用するにはインスリンの分泌が必要です。つまりインスリンを分泌させる糖も一緒に摂取する必要があります。これは間食以外でも同じです。芋、穀類、果物なども一緒に食べましょう。また前の食事や次の食事との間隔を空け、時間が等間隔になるように調整する事も重要です。これは血糖値を安定化させるためです。可能ならば間食後に運動をし、その後で夕食を取るのがベターでしょう。



ダイエットに対する考え方を改めよう

例えば「クビレ」という言葉があります。クビレとは、胸の大きさ・お腹周りの細さ・お尻の大きさという「凹凸の差」がもたらすもので、特に筋肉を鍛えるとその凹凸の差を強調する事ができ、いわゆる「グラマーな体型」に見せる事ができます。また筋肉を鍛えると皮膚や脂肪を下から押し上げる事ができ、それによって「ハリ」も生まれます。ハリがあれば体脂肪率が多少高くても「弛んで見えない」ため、太っているように見せないようにする事ができます。海外の人を見ると日本人からすればあり得ないような体型をしているように見えます。それにはもちろん生まれつきの骨格も関係しますが、実はその骨格を強調するために筋肉を鍛えているのです。

しかし日本人はそれとは真逆の事を行っています。食事制限を行えば確かに脂肪は落ちますし、それに伴い体重も減ります。しかし前述したように実際にはエネルギー不足によって全身の筋肉も一緒に落ちています。それにより骨格的な凹凸の差が目立たなくなり、むしろクビレは失われてしまうのです。また筋肉が落ちれば基礎代謝も低下するため、エネルギー代謝はむしろ悪化しており、何度もダイエットを繰り返す羽目になってしまいます。そのループから抜け出すためには「痩せる」という事に対する根本的に考え方を変えなければなりません。

特に女性の場合、思春期中及びそれ以降は全身に脂肪がつきやすくなります。しかし思春期中は将来子どもを生むための準備を行う期間です。その期間中に栄養摂取ができず、ホルモンバランスが乱れれば、子どもを生むために必要な機能が十分に成熟されません(それに関しては男性も同じ)。いざ親になる時になってそれが現れ、子宮内に赤ちゃんを留めておく事ができず、それが早産の原因になる事もあります。体の大きな赤ちゃんを生むためには、赤ちゃんを育てる事のできる丈夫な体が必要であり、自分の子どもに自分と同じ悩みを持たせないためにも、食事制限の事だけを考えたダイエットはやはりすべきではありません。若い頃はイメージできないかもしれませんが、できるだけ早い時期に間違いに気づき、将来の事を考えた行動を選択すべきです。

ちなみに女性では閉経後に女性ホルモンの分泌量が極端に減少する、いわゆる「更年期」もあります。特に女性ホルモンはカルシウム代謝に関係しているため、更年期以降の女性は骨が脆くなりやすく、男性よりも骨粗鬆症になるリスクが高いと言われています。また骨というのは生活習慣による蓄積もあって、若い頃からの慢性的な栄養不足が骨に蓄積している場合、それが更年期以降になって急に現れる事があります。つまり食事制限による無理なダイエットを繰り返す事では、将来骨粗鬆症になるリスクを大きく高める事になる訳です。美容や健康のためにと行ってきた事が将来逆効果になるとしたら、それは何のために行っているのでしょうか。考えを改めるべきでしょう。



今できる事を積み重ねるべき

ダイエットはいつからでもできます。しかし身長は思春期が終われば伸ばす事はできません。また将来子どもを生むために必要な機能も、主に思春期中に発達します。今しかできない事をすべきではないでしょうか。メラトニンを分泌させ、思春期を遅らせ、緩やかに思春期を迎え、緩やかに終える事、これが身長を伸ばすためには大きな鍵になります。これによって「身長を伸ばす事のできる期間」を伸ばす事が重要です。

またここまでは主に女性について書いてきましたが、当然男性も同じです。メラトニンの分泌が不安定になる事で思春期が早まれば、男性ホルモンが早々に分泌され、女性と同じようにいわゆる「早熟」となります。それによって「身長を伸ばす事のできる期間」が短くなれば、女性ほどではないにしても、最終的な身長の結果は悪くなります。低身長の男性が社会でどのような扱いを受けるかを考えれば、今すべき事は自ずと分かるはずです。思春期中にだけ身長を伸ばそうと努力するのではなく、できるだけ早い時期から「今できる事」「今しかできない事」を積み重ねましょう。これには親のサポートが不可欠です。親にとって当たり前の事でも、それが子どもにも当てはまるとは限りません。子どもにとって何が最適か、それを一緒になって考えるべきです。

尚、ダイエットをしてきた期間が長いほど、健康に対する自分の知識を過信してしまう人が多いです。しかしダイエットに対する知識=正しい知識という考え方は非常に危険です。何故なら、そもそも前提となる考え方が間違っている事があるからです。前述した「食事を制限すれば脂肪が落ちる(実際は筋肉も落ちている)」が良い例だと思います。そうして若い頃から続けてきたダイエットは、必ず偏った知識として蓄積されており、いざ親になった時、それを当たり前のように子どもに押し付けてしまいます。その結果、子どもの身長の伸びに悪影響を及ぼす可能性もゼロではありません。「自分の知識が間違っている可能性」を考え、子どもができた後も、常に自分から情報を入手しに行く姿勢を持つ事が大切です。



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