鉄棒にぶら下がると身長が伸びる?

「鉄棒にぶら下がると身長が伸びる」という話を聞いた事があると思います。この記事ではそれについて私なりに考えてた事を書きます。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

ぶら下がる.png

「ぶら下がり健康法」について

日本では古くから「○○健康法」という様々な健康法が生まれてきましたが、その中に「ぶら下がり健康法」があります。この健康法が最初に登場したのは1975年頃とされ、1978年にはテレビ通販などを通じて爆発的にヒットしました。その方法は至ってシンプルで、棒状の固定されたバーに両手を使ってぶら下がるというものです。しかしそのブームはたった1年程度で下火となり、今では似非健康法の一つとされています。今で言う「水素水」と似たようなものですね・・・いつの時代もお金が絡むと「健康増進効果を謳う根拠」なんてどうでも良いみたいです。

長時間ぶら下がる事では、重力によって特に背骨の「骨と骨の間にある隙間」が伸ばされます。それと共に背中の筋肉も一緒にストレッチされるので、猫背などの姿勢を改善する効果はあるかもしれません。しかしそれは「長時間ぶら下がる事ができる場合」です。スポーツを行っていないような一般の人では、数十秒程度掴まっているだけで精一杯。長時間ぶら下がる事のできる握力が必要な時点で、この健康法を実践できる人はかなり限られる事になります。そもそもそれだけの握力がある人は日常的な運動習慣があるはずで、このような方法に拘る必要はないでしょう。

身長に関して言えば、もし仮に長時間ぶら下がる事ができるとすれば、背骨やその周囲の筋肉が伸びる事で、胴体も全体として縦に伸びる事になります。それによって身長が2〜3cm程度変わる事があります。しかしどれだけ握力の強い人でも何時間も続けてぶら下がる事はできません。いずれは地に足をつけて生活をしなければならない訳で、そうして生活をしている内に伸ばされたものは全て元通りに戻ってしまいます。骨と骨の隙間や筋肉などを伸ばす効果も一時的なものでしょう。

更に「ぶら下がり健康法」を実践している人たちの間では、「胴体が伸びる=胃腸の調子が良くなる=健康増進になる」という事も信じられていたそうです。日本人を含むアジア人は元々欧米人と比べて胴長ですが、たかだか数十秒程度ぶら下がった所で、胴を物理的に長くする事など不可能ですし、どれだけ胴が長くなっても腸の長さ自体は変わらないので、胃腸の状態に影響する事はほぼありません。姿勢が良くなれば確かに胃腸の状態は良くなるかもしれませんが、前述した通り何時間も続けてぶら下がっている事はできませんから、やはり効果は一時的なものでしょう。これは普段ストレッチを毎日している人でも、しばらく病気をしてストレッチができなくなっただけで体が硬くなってしまうのと同じです。伸ばされた筋肉や関節は時間が経てば元に戻ってしまいます。

ちなみにですがぶら下がり健康器(懸垂用含む)は今でも普通に販売されています。前述のようにぶら下がるだけで健康になる効果はありませんが、人間がぶら下がる事を想定して作られているので耐久力がかなりあります。重たい物をかけておく事に有用なのはもちろん、筋トレを行う上では家庭では中々できない「懸垂」ができるため、必ずしも役に立たない訳ではありません。ご興味のある方はこちらよりどうぞ→Amazon商品検索 - ぶら下がり健康器Amazon


鉄棒などにぶら下がって背中を伸ばそう

背中の骨は横から見るとS字になるように湾曲しており、上下からの衝撃を上手く分散させる事ができるようになっています。普段猫背などで悪い姿勢を長時間続ける癖がある人はこのS字の湾曲が崩れており、衝撃を上手く吸収できません。その結果、骨や筋肉など体のどこか一部分にだけストレスが集中し、肩コリや腰痛など様々な怪我に繋がるリスクが増える事になります。特にこのS字が乱れた状態のまま、成長期において骨が急激に成長すると、脊柱側弯症(背骨が曲がったまま伸びる。尚、遺伝的要素も関係している)という物理的に骨が曲がってしまう病気になる事もあります。そうなれば身長を伸ばすどころか、まともな運動をする事も難しくなってしまうでしょう。その意味では、前述した「ぶら下がり健康法」も「背中を伸ばして凝り固まっている筋肉を解す」という点で役に立たないとは言えません。

猫背は背中やお腹の筋肉が緩む、あるいは常に伸ばされる事で筋力が低下し、姿勢を維持する事ができなくなった状態の事を言います。背中やお腹の筋肉が機能しなくなると他の筋肉で無理やり補おうとしますが、背中やお腹にある大きな筋肉を他の小さな筋肉だけで補う事はできません。それにより小さな筋肉もダメージを受ける事があり、それが肩凝りや腰痛など様々な症状に繋がります。それを防ぐという意味では「鉄棒などにぶら下がる」事で、背中やお腹の筋肉が伸ばされる「ストレッチ効果」が期待できます。もちろんそのストレッチ効果は一時的なので毎日時間の空いた時に行って積み重ねる必要はありますが、その積み重ねが姿勢の改善に繋がり、間接的にではありますが身長を伸ばす手助けにもなるかもしれません。


猫背を改善しよう

猫背の女性.png姿勢はその人の内面にも影響する非常に重要な習慣の一つです。例えば猫背になると常にお腹が凹むような姿勢になるため、お腹にある「横隔膜」がスムーズに動かせず呼吸が浅くなりやすいです。それによっては全身の血流も悪くなるので体温調節が上手くいかなくなったり、冷え性や熱中症(体に熱がこもる)などにもなりやすくなります。また落ち込んだりした時には常に下を向いて行動するようになるので、実は猫背になると気持ち的にもネガティブになりやすくなると言われています(そういう研究結果があるらしい)。更には顔が常に下へ向く事で顔の皮膚が重力に引っ張られ、成長過程で顔の皮膚が弛んでいき、人によっては歯並びも悪化していく事があります。猫背は身長を伸ばす伸ばさない以前に心身の健康のためにも早期に改善すべきでしょう。

ちなみにですが、猫背や姿勢の歪みを正してそれが定着すると、人によっては身長が数cm伸びる人もいるそうです。これは骨の位置が正常に戻った事が理由ですが、それほど「骨の歪み」というのは重要なものなのです。何より身長は「思春期を終えるまで」しか伸ばす事はできませんから、猫背にならないよう予防する事が大切です。現時点で猫背でない人も猫背にならないよう日常的に姿勢を注意しましょう。参考記事→猫背と肩周りのストレッチについて


参考記事一覧

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