バレーボールを行って身長は伸びるのか

バレーボールはジャンプ運動を要求される事の多いスポーツであり、バスケットボールと同じように「ジャンプ競技」とも呼ばれています。そんなバレーボールは身長の高い選手が多いからか、一般的に「身長を伸ばす効果のあるスポーツ」として知られています。ここではそんなバレーボールというスポーツが、実際に身長を伸ばす効果があるのかどうか?について私なりに書いています。やや長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、バスケットボールについては別記事へ移動させました→バスケットボールを行って身長が伸びるのか

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★当記事の目次

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私は学生時代の部活動でバレーボール(以下バレー)を経験しています。ですのでこの記事では少し経験談を混じえながら話したいと思います。「ジャンプ競技」と呼ばれるバスケとバレー。特にこの2つのスポーツの決定的な違いは「ネットで区切られている」、これに尽きると思います。バレーでは「定められた高さのネット」がある関係で、バスケ以上に身長の高さが重要であり、少なくとも「ネットから手が出る程度の身長が必要」なスポーツになっています。


バレーは身長が戦力に直結するスポーツ

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「ジャンプ運動」では着地の際、骨に自分の体重以上の大きな衝撃が加わります。そのためジャンプは身長を伸ばすために効果的な運動の一つと言えます。

特にバレーではそのような「ジャンプ運動を要求される場面」がたくさんあります。例えばスパイク、サーブ、ブロックなどがそうです。この中でも「能動的に自分から攻撃をして得点を狙うプレー」がスパイクやサーブです。サーブは遠くから打つので、単に打つというだけなら、身長もジャンプ力も必要ないように思えますが、実際には身長が高い方が、高い打点からスピードのあるボールを打つ事ができ、得点の可能性が高まります。「ジャンピングサーブ」や「ジャンプフローター」などのように、ジャンプをして打つサーブがそれに当たり、そういった強力なサーブを打つ事で、相手の考える時間を奪い、相手の守備の形を崩し、攻撃の形を作らせないようにする事ができます。それによって逆にこちらは自分たちの攻撃を行う準備ができるため、有利に試合を進めるためにはどうしても強力なサーブが必要になります。すなわち試合に勝つためには、強力なサーブが打てるよう、一人ひとりが高い身長やジャンプ力を持っていた方が良い訳です。

また「スパイク」はネットの近くに上がったボールを、ネットよりも高い打点から相手のコートに打ち込む攻撃法です。これは相手が触れる間もなくボールをコートに落とす事ができるので、最も効果的な攻撃法の一つです。しかしいつも叩きつける事ができる訳ではなく、通常は相手選手が同じようにネットの上から手を出し、そのスパイクをブロックしてきます。そのため安全にスパイクを打つためには、そのブロックよりも更に高い位置から打ち込む事ができるような、より高い身長とより高いジャンプ力が必要になります。もちろん身長の低い人でも、相手のいない場所を狙ったり、そのブロックを避けたり、逆に当てて弾き出すというような事もできるでしょうが・・・(下にそのまま続く)

しかしながらスパイクはサーブとは違って、そのようにジャンプをする位置がネットに近いので、身長の低い人では常に全力でジャンプしなければなりません。すなわち1回や2回ジャンプするだけなら良いのですが、「常に全力でジャンプしなければ、ネットから手が出ないような身長」では、いずれスタミナが切れてしまい、試合が長引くほどジャンプ力は低下していきます。また競技中は複雑な動きがある中でジャンプをする事になる訳で、そもそも「いつも全力で助走をつけてのジャンプ」「いつも冷静に相手やボールを見ながらジャンプ」ができるとは限りません。つまり「ジャンプ力が高くて身長が低い人」よりも、「軽くジャンプしてもネットから手が出る程度の身長がある=冷静に状況を判断できる=余計な体力消耗を抑える事ができる」方が、実際にはチームにとって大きな戦力になるのです。

それらの理由により「バレー」というスポーツを不自由なく行うためには、ジャンプ力が高いという事は確かにこの上ない事ですが、それ以上に、元々の身長が高いという事が非常に重要になります。前述のようにそれはチームの戦力に直結しており、当然それは「レギュラーになれるかどうか」という確率にも関わる事になります。更にそれは「ジャンプ運動をする機会」にも関わっており、ジャンプ運動をする機会が少なければ、当然身長の伸びにも大きく関係してきます。



元々の身長を要求される場面は必ず存在する

セッター.png例えば味方がレシーブをミスし、ネットの近くにボールを上げてしまった場合、高い身長と高いジャンプ力を持つセッターがいれば、咄嗟にそのミスをカバーし、ジャンプをしながらトスを上げる事ができます。つまりセッターに高さがあれば、味方のミスも攻撃に繋ぐ事ができる訳です。

しかし逆にセッターに高さがなければ、瞬時に相手選手が反応し、そのボールをネットの上から叩きつけて来るでしょう(ネットを越していないボールに触れる事はできないが、越した瞬間にスパイクを打って叩きつける事ができる)。特にそのような場面においては、その場で咄嗟にジャンプをした時、実は身長が高い人の方が最高到達点に届くのが速いのです。そのため身長の低い人がそれに対抗しようとして高くジャンプしても、ネット上の押し合いで負けてしまう可能性が高いです。

しかもバレーでは味方が3回しかボールに触れられず、その3回の内に必ず相手のコートへ返さなければなりません。またコートにボールが落ちたら、その瞬間に相手の得点になってしまいます。そのため味方のミスは必ず3回の内に誰かがカバーしなければなりませんが、「ネット」がある関係で、その3回の内の1回は「ネット上での相手との競り合い」になり、ミスが多いほど「身長がなければカバーできない」という場面に高頻度で遭遇する事になります。それが「ここぞの得点」であれば尚更重要になり、試合が長引くほどその1点が大きく勝敗に響いてきます。

どの球技スポーツでも言える事ですが、そうして積み重ねた味方のミス一つ一つが相手の得点となり、それが最終的に「勝敗」という形に表れます。ミスをカバーできればそれを少なく抑える事もできますが、身長の低い人ではそれが上手くできず、失点が増えてしまいます。失点が増えれば当然試合に負ける確率も高くなります。これは実に単純な事ですが、特にバレーでは「身長」という要素が関わっている分、他のスポーツよりも明確に「身長=戦力」に直結します。バレーを知らない人が見ても「身長の高い選手しかいない」ように見えますが、それはこれが理由になっています。



身長が高い方がジャンプ力も高くなりやすい


これは走り高跳びの動画です。上位記録の多くは身長が190cm以上あります。

「ジャンプ力」は、アキレス腱や膝の腱が「長く強い弾力性がある」ほど高くなりやすいと言われています。すなわち単純に、身長が高く、足が長い方が、高くジャンプする事ができるという事です。

その理由を簡単に説明すると、まず体を動かす際には、筋肉や筋肉から繋がる腱が骨を引っ張る事で力を伝えているのですが、実は筋肉や腱には「勢い良く伸ばされた際、反射的に縮む性質(伸張反射)」があります。これは元々は筋肉や腱を守るための機能で、筋肉や腱を必要以上に伸ばされないように防いでいるものなのですが、この時に起こる反射的な収縮は、直前の筋肉や腱を伸ばす時の勢いが大きいほど、素早く行われると言われています。つまり筋肉を勢い良く伸ばすほど、筋肉は勢い良く収縮し、骨を勢い良く引っ張るという事です。高くジャンプする際には、実はこれが非常に重要になります。

ただし筋肉や腱を伸ばす際の勢いは、大きければ大きいほど良いという訳ではありません。何故なら筋肉や腱には当然耐久力があるからです。あまりに勢い良く筋肉や腱を伸ばしてしまうと、筋肉や腱は耐えきれず、縦や横に裂けてしまうでしょう。一方、筋肉や腱が長く弾力性があれば、筋肉や腱を伸ばす際の勢いに耐える事のできる「範囲」が広がるため、より勢い良く筋肉や腱を伸ばす事ができ、それによって収縮もより素早く行う事ができます。だからこそ、身長や足が長いほどジャンプ力が高くなりやすいのです。尚、元々の「筋力」も筋肉の大きさに比例します。そのためジャンプをする際に生み出される筋力も、身長が高く足が長い方が大きくなります。

またこれは別の視点ですが、そのような効率の良いジャンプができると、1回1回のジャンプで、余分な力を節約する事ができます。それによっては試合序盤から終盤までの安定したパフォーマンスにも繋がっていきます。つまり身長の高い人の方が、高いジャンプを長く維持する事ができ、かつその他の様々なプレーを行うスタミナも得られる訳です。当然それはチームにとって大きな戦力になります。


例えばバレー漫画では、身長の低い人が高いジャンプ力を持っている事が多いですよね。しかし実際にはそのように元々の身長が高い方がジャンプ力は高くなりやすいのです。これは少々厳しい言い方になりますが、元々身長の低い人がいくら地道に努力して高いジャンプ力を得たとしても、元々身長の高い人が本気で努力をしたらとても太刀打ちできません。私なんかもそうでしたが、ジャンプ力を上げるために必死に毎日鍛えている間、身長の高い人は技術練習のために時間を費やす事ができます。しかも技術を身に付けた後でもいざ体を鍛えれば、身長が低い人が鍛えるよりも効率良く体を鍛える事ができます。「身長が高い」という事はそれだけ「努力の効率が良い」という事でもあるのです。

時間は有限であり、より時間を効率良く使う事ができた方が良いに決まっています。その意味でも、指導者は、おそらく身長が高い人をレギュラーに起用するはずです。そうなれば身長の低い人は出場機会が減ってしまい、ジャンプ運動をするしない以前の問題になります。



身長が低い人はジャンプをする機会も少なくなる

元々身長の高い人はバレーを始めてすぐでもレギュラーになる可能性が高く、その元々高い身長から、ジャンプ運動を要求される事も多くなります。それによってジャンプ運動を繰り返す事ができれば、元々高かった身長を更に高くする事もでき、「元々身長が低い人」との差は更に大きくなります。バレーの試合を見ていると身長の高い選手しかいないので、「バレー=身長が高くなる」と思われる事が多いのですが、決して「バレーだけ」で身長が高くなった訳ではありません。元々身長が高い人は、ボールに触れる機会が増え、上手くなり、身体能力も上がる、その結果、ジャンプ力も上がり、骨への刺激が増え、身長がより高くなっているのです。

逆に元々身長が低い人は、最初から「リベロ」という守備的ポジションを任される事が多く、まず低姿勢でのレシーブ練習ばかりをやられます。リベロはサーブもスパイクも打たず、レシーブ専門なので、ジャンプをする機会はほぼ皆無です。そのため身長を伸ばすためにバレーを始めたのに、「バレーを始める前よりもジャンプをする機会が減る」事にもなりかねません。

つまり身長が低い人は、身長の高い人と比べ、そもそもレギュラーになる可能性が低いのに、ジャンプ運動を要求されるポジションを任される事も少ない、という散々な扱いを受けてしまうのです。ちなみにセッターならば多少ジャンプする機会はありますが、最近では競技レベルの向上によって、セッターにも高い身長を要求されています。更に言えば最近ではリベロにもある程度のフィジカルが求められています。何故なら体が大きい方がパワーのあるボールを受け止める事ができる上、咄嗟の動作の時、より遠くのボールにも届きやすいからです。既に「身長が低い=リベロまたはセッター」という時代は終わっているのです。

これらの事からも、身長を伸ばすためだけにバレーを始める事は全くオススメできません。ましてや身長を伸ばした上でバレーが上手くなりたいなどと都合の良い事は考えない事です。言い方は悪いかもしれませんが、身長の低い選手がレギュラーとして攻撃に参加している時点で、そのチームの競技レベルなどたかが知れています。日本のトップである日本代表でさえそうです。技術では補う事ができない部分が必ずある訳ですが、平均的に身長が劣るので、技術力の高い身長の低い人を使わざるを得ない、その時点で、世界と比べて大きな壁ができてしまうのです。



バレーを本格的に行うなら個人的に運動を行った方が良い

私の経験上、バレーの指導者は古い考えを持っている人が多いように思います。ひたすら低い姿勢を意識づけられ、レシーブ練習ばかりさせられ、同じ動きを何度も何度も繰り返させ、やたら筋トレばかりをさせられていませんか? いわゆる「機械的な動き(決まった動きを繰り返すため、新しい刺激にならない)」や「筋トレ(骨へ刺激を与える運動ではない)」を繰り返すだけでは身長は伸びません。

また、ただ激しい運動をひたすらに繰り返すのでは、肉体を消耗させるだけであり、やはり身長の伸びは期待できません。何故このような事を言うのかというと、栄養や睡眠など運動以外の生活習慣や体調まで管理できる指導者が本当に少ないからです。気合とか根性とかを重視する、そういう指導者に限って理論的な知識がないのです。「身長を伸ばす」という目的でバレーを始めたなら尚更、優秀な指導者との出会いが必要になりますが、それは簡単な事ではありません。指導者がレギュラーとなる選手を選ぶ事はできますが、選手が指導者を選択するのはそう簡単ではありませんからね・・・かと言って一度入ったクラブや部活動を去るのもそれなりに勇気が必要ですし、こればっかりは運もあるのでどうしようもありません。

このようにバレーを本格的に行ったからといって身長が伸びるとは限りません。「ジャンプ競技」と呼ばれるバレーやバスケに過度な期待は禁物でしょう。何より身長を伸ばす運動は他にいくらでもあります。ジャンプ運動を行うというだけなら、部活やクラブに入らなくても、自分でその場で何度も跳んだ方が良いですし、本気で身長を伸ばそうと思うのなら、急に激しい運動を行うのではなく、骨に対して常に適度となる新しい刺激を与える事の方が重要です。また栄養なども、今の時代の若い人の方がよっぽど知識があり、ネットを利用すればいくらでも情報が手に入ります。どのような食習慣をすれば良いのかを自分で調べ、自分で実践した方が良いでしょう。指導者が命令口調で支配的で怖い・・・というような環境では尚更そういう事に頭が回らなくなるため、その意味でもバレーに固執すべきではありません。しっかり食べ、しっかり動いて、しっかり寝て、しっかり楽しむ。成長期にはそれができる環境が最も必要です。



参考記事一覧

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