バレーボールを行って身長は伸びるのか

バレーボールはジャンプ運動を要求されるスポーツであり、バスケットボールと同じように「ジャンプ競技」と呼ばれています。そんなバレーボールは身長の高い選手が多いためか、一般的に「身長を伸ばす効果があるスポーツ」として知られています。ここではそのバレーボールというスポーツが、実際に身長を伸ばす効果があるのか?について私なりに書いています。やや長文ですがご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。尚、バスケットボールについては別記事へ移動させました→バスケットボールを行って身長が伸びるのか

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私はバレーボール(以下バレー)経験者ですので、少し経験談を混じえながら話したいと思います。ジャンプ競技と呼ばれるバスケとバレー。この2つのスポーツの決定的な違いは「ネットで区切られている」、これに尽きると思います。バレーでは「定められた高さのネット」がある関係で、バスケ以上に少なくとも「ネットから手が出る程度の身長が必要不可欠」なスポーツとなっています。


バレーは身長が戦力に直結するスポーツ

「ジャンプ運動」では着地の際、骨に自分の体重以上の大きな衝撃が加わるため、身長を伸ばすために効果的な運動の一つです。バレーにおいてはそのような「ジャンプ運動を要求される場面」がたくさんあります。具体的に言えばスパイク、サーブ、ブロックなどです。特にこの中でも「能動的に攻撃で得点をするプレー」がスパイクやサーブです。サーブは遠くから打つので単に打つだけなら身長もジャンプ力も必要ありませんが、実際には身長が高い方が高い打点からスピードのあるサーブを打つ事ができ、得点の可能性が高まります。「ジャンピングサーブ」や「ジャンプフローター」などジャンプをしてボールを打つサーブがそれで、そういった強力なサーブを打つ事で相手の考える時間を奪い、相手の守備の形を崩し、攻撃の形を作らないように事ができます。それによってこちらは安定的に自分たちの攻撃を行う事ができるため、有利に試合を進めるためにはどうしても強力なサーブが必要になります。すなわち試合に勝つためには、強力なサーブが打てるよう、一人ひとりが高い身長やジャンプ力を持っていた方が良いわけです。

一方、「スパイク」はネットの近くに上がったボールを、ネットよりも高い位置から相手のコートに打ち込む攻撃法です。しかし相手選手が同じくネットの上から手を出し、そのスパイクをブロックをしてきますので、安全にスパイクを行うためにはそのブロックよりも高い位置から打ち込む事ができるような、高い身長と高いジャンプ力が要求されます。もちろん身長の低い人でも相手のいない場所へボールを落とせば得点する事はできますし、技術があればそのブロックを避けたり、逆に利用する事もできるでしょうが・・・

スパイクはサーブとは違ってジャンプをする位置がネットに近いので、身長の低い人は常に全力でジャンプしなければなりません。常に全力でジャンプしなければネットから手が出ないような身長では、いずれスタミナ切れとなり、試合が長引くほどジャンプ力は低下していきます。そもそも競技中は複雑な動きがある中でジャンプをする事になるため、「常に全力で助走をつけてのジャンプ」「いつも冷静に相手やボールを見ながらジャンプ」がいつもできる訳ではありません。つまり「ジャンプ力が高くても身長が低い人」よりも、「軽くジャンプしてもネットから手が出る=冷静に状況を判断できる=余計な体力消耗を抑える事ができる」ような「元々の身長が高い人」の方が、チームにとっては大きな戦力になります。それはレギュラーになれるかどうかはもちろん、ジャンプ運動をする機会にも大きく関わってきます。


ジャンプ力を要求される場面は必ず存在する

セッター.png例えば味方がレシーブをミスしてネットの近くにボールを上げてしまった時、高い身長と高いジャンプ力を持つセッターがいれば、咄嗟にそのミスをカバーし、ジャンプをしながらスパイクを打つ人にトスを上げる事ができます。すなわちセッターに高さがあれば、味方のミスも攻撃に繋ぐ事ができる訳です。しかしセッターに高さがなければ瞬時に相手選手が反応し、そのボールをネットの上から叩きつけようとしてくるでしょう(ただし相手コート上のボールに振れる事はできない=オーバーネット)。その場で咄嗟にジャンプをした時、実は身長が高い人の方が最高到達点に届くのは速いため、ネット上の押し合いに負けてしまうのです。

しかもバレーでは味方が3回しかボールに触れられず、その3回の内に相手コートへ返さなければなりません。またコートにボールが落ちたら、その瞬間に相手の得点になってしまいます。ですので味方のミスは必ず3回の内に誰かがカバーしなければなりませんが、「ネット」がある事でどうしても「ネット近くの競り合い」が生まれ、「身長がなければカバーできない」という場面に必ず遭遇します。それが「ここぞの得点」であれば尚更重要で、試合が長引くほどそれは非常に重要になります。よってバレーでの身長の高さは、むしろ最低条件(特に男子バレーでは例えば世界レベルになると「スパイクを打てばほぼ確実にどちらかの得点になる=スパイクがあまりに高速過ぎてレシーブが困難」という単純な試合になる事が多い)と言っても良いほど重要でしょう。

そうして積み重ねた味方のミス一つ一つが相手の得点となり、それが勝敗という結果に表れます。これは実に単純な事で、他のスポーツでも同じ事が言えますが、「身長」という要素が深く関わっている分、バレーは他のスポーツよりも明確に戦力へ直結しています。だからこそバレーを知らない人が見ても「身長の高い選手しかいない」というように見た目でハッキリと分かるのです。日本人にとっては残酷ですが仕方ない事です。


身長が高い方がジャンプ力も高くなりやすい

悲しい事に「ジャンプ力」は、アキレス腱や膝の腱が「長く強い弾力性がある」ほど高くなりやすいと言われています。単純に身長が高かったり足が長かったりした方が高くジャンプする事ができるという事です。何故「足が長い=ジャンプ力が高い」かというと、体を動かす際には筋肉や腱が骨を引っ張る事で力を伝えているのですが、筋肉や腱には勢い良く伸ばされた際に縮む性質(伸張反射)があるため、筋肉を意識的に収縮させるよりも、筋肉や腱が伸ばされる際の勢いを利用して反射的に筋肉を収縮させた方が素早く骨を動かす事ができると言われています(膝を深く曲げて筋肉の収縮力を使ってジャンプすると、助走スピードが吸収させてしまう)。その効率の良い体の使い方ができると、「身長が高い=足が長い=筋力を節約してジャンプできる=力まず効率良くジャンプできる=スタミナを温存できる」と繋がり、試合序盤から終盤までの安定したパフォーマンス能力にも繋がってきます。

例えばバレー漫画では身長の低い人が高いジャンプ力を持っている事が多いですよね。しかし実際は元々身長の低い人がいくら地道に努力して高いジャンプ力を得たとしても、元々身長の高い人が本気で努力をしたら実際はとても太刀打ちできません。何故なら「筋力」も筋肉の大きさに比例するからです。私なんかもそうでしたが、ジャンプ力を上げるために必死に毎日毎日体を鍛えている間、身長の高い人は技術の練習に目一杯時間を費やす事ができる訳です。しかも身長の高い人は技術を身に付けた後からでも体を鍛えれば、身長が低い人が鍛えるよりも効率良く筋力を大きくできます。つまり「身長が高い=努力の効率が良い=技術の向上だけでなく筋力の向上も速い」という事です。よってレギュラーになる事ができる人も自動的に「元々身長が高い人」が優先される事になるでしょう。


身長が低い人はジャンプをする機会も少なくなる

前述の通り、小さい頃から身長の高い人はバレーを始めてすぐでもレギュラーになる可能性が高く、その元々高い身長からジャンプ運動を要求される事も多くなります。それによってジャンプ運動を繰り返す事ができれば、元々高かった身長を更に高くする事もでき、「元々身長が低い人」との差は更に大きくなります。バレーの試合を見ていると身長の高い選手しかいないので「バレー=身長が高くなる」と思われがちなのですが、決して「バレーだけ」で身長が高くなった訳ではないという事です。元々身長が高い、ボールに触れる機会が増える、上手くなる、身体能力も上がる・・・実に単純です。

逆に元々身長が低い人は最初から「リベロ」という守備専門のポジションをさせられる事が多く、まず低姿勢でのレシーブ練習ばかりをさせられます。リベロはサーブもスパイクも打たず、レシーブ専門なのでジャンプをする機会(特に練習)はほぼ皆無です。そのため身長を伸ばすためにバレーを始めたのに「バレーを始める前よりもジャンプをする機会が減る」という事にもなりかねません。身長が低い人は高い人と比べてそもそもレギュラーになる可能性が低いのに、バレーを始めてもジャンプ運動を要求されるポジションを任される事も少ない、という散々な扱いを受けてしまうのです。尚、セッターなら多少ジャンプする機会はありますが、最近では身長が要求される事が多いです。これは前述のようにネット上での競い合いがあるからです。まぁチーム内に身長の高い選手が少なければセッターは後回しになるかもしれませんが。

よってこれは私個人の考えですが、身長を伸ばすためだけにバレーを始める事は全くオススメできません。ましてや身長を伸ばした上でバレーが上手くなりたいなどと都合の良い事は考えない事です。言い方は悪いかもしれませんが、身長の低い選手がレギュラーとして攻撃に参加している時点で、そのチームの競技レベルなどたかが知れています。日本のトップである日本代表でさえそうです。技術では補う事ができない部分が必ずある訳ですが、平均的に身長が劣るので技術力の高い身長の低い人を使わざるを得ない、その時点でもう世界と比べて劣っているという事がよく分かると思います。


バレーを本格的に行うなら個人的に運動を行った方が良い

私の経験上、バレーの指導者は古い考えを持っている人が多いように思います。ひたすら低い姿勢を意識づけられ、レシーブ練習ばかりさせられ、同じ動きを何度も何度も繰り返させ、やたら筋トレばかりをさせられていませんか? いわゆる「機械的な動き(決まった動きを繰り返すため、新しい刺激にならない)」や「筋トレ(骨へ刺激を与える運動ではない)」を繰り返すだけでは身長は伸びません。また、ただ激しい運動をひたすらに繰り返すのでは肉体を消耗させるだけでやはり身長の伸びは期待できません。何故このような事を言うのかというと、栄養や睡眠など運動以外の生活習慣や体調まで管理できる指導者が少ないからです。気合とか根性とかで片付けられますが、指導者にそういう知識がない事が多いのです。「身長を伸ばす」という目的でバレーを始めたなら尚更、そういった優秀な指導者との出会いが大切です。指導者がレギュラーとなる選手を選ぶ事はできますが、選手が指導者を選択するのはそう簡単ではありませんからね・・・かと言って一度入ったクラブや部活動を去るのもそれなりに勇気が必要ですし、こればっかりは運もあるのでどうしようもありません・・・。

このようにバレーを本格的に行ったからといって身長が伸びるとは限りません。ジャンプ競技と呼ばれるバレーやバスケに過度な期待は禁物です。何より身長を伸ばす運動は他にいくらでもあります。ジャンプ運動を行うというだけなら部活やクラブに入らなくても、自分でその場で何度も跳んだ方が良いですし、本気で身長を伸ばそうと思うのなら急に激しい運動を行うのではなく、骨に対して常に適度となる新しい刺激を与える事の方が重要です。また栄養なども今の時代ネットを利用すればいくらでも情報が手に入ります。どのような食習慣をすれば良いのかを自分で調べ、自分で実践しましょう。指導者が命令口調で支配的で怖い・・・というような環境では尚更そういう事に頭が回らなくなります。しっかり食べ、しっかり動いて、しっかり寝て、しっかり楽しむ。それが重要です。


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