骨端線に適度な刺激を与え、骨芽細胞を活性化させよう

成長期の子どもの骨には「骨端線」と呼ばれる軟骨組織があります。この骨端線は思春期を終えると消えてしまいますが、骨端線へ刺激が与えられた際、骨端線付近に存在する骨を作るための細胞が活発に働くと言われています。よって骨端線がある内に運動を行い、刺激を与える事が、身長を伸ばすためには非常に重要です。

ただし骨及び骨端線へ与える刺激の強さは、常に「適度」である必要があります。この記事では与える刺激が何故「適度な大きさ」でなければならないのか?について私なりにまとめています。ご興味のある方は下記「続きを読む」よりどうぞ。

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★当記事の目次

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破骨細胞と骨芽細胞に刺激を与えるには

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前述したように、骨端線付近には骨を作るために必要な細胞がたくさん密集しています。それが「破骨細胞」と「骨芽細胞」です。

簡単に言うと、破骨細胞は古くなった骨を壊す細胞、骨芽細胞は新しい骨を作る細胞の事で、成長期においてはこの2つの細胞が活発になり、新しい骨が作られ、身長が伸びます。また骨端線は通常の骨よりも柔らかい軟骨組織で、弾力性に飛んでおり、刺激に対して敏感に反応します。運動によって骨端線に刺激が与えられると、骨端線付近にある細胞の活動が促され、身長の伸びを更に加速させる事ができます。

一方、骨に限らず、あらゆる細胞は古くなったら壊され、その度に、常に新しい細胞へと作り変えられています。でなければ、例えば転んだ時にできた擦り傷も自然には治りませんよね。膝を擦り剥いても時間が経つと綺麗に治るのは、その部分の傷ついた細胞を壊し、新しく作り変えているからです。

骨も同じで、骨が古くなったり、傷ついたりすると、破骨細胞がその部分を壊し、その壊した部分を埋めるようにして骨芽細胞が新しい骨を作ります。何が言いたいのかというと、骨端線に与える刺激が弱すぎると、破骨細胞は働きません。破骨細胞が働かなければ、骨芽細胞も働きません。一方、その刺激が強すぎると、骨が壊れる方が上回ってしまいます。だからこそ「適度な刺激」が重要であり、破骨細胞と骨芽細胞を活性化させるためには「骨に対して適度な刺激が与えられるような運動」が必要です。

ちなみに成長期では、そのように破骨細胞よりも骨芽細胞の方が活発に働くため、それによって新しい骨を作る働きの方が上回り、身長が伸びます。一方、大人では「古い骨を壊して新しい骨を作る」というバランスが保たれており、骨が傷つけば当然治りますが、身長は伸びません。



骨端線に対して「常に」適度な刺激を与えるには

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「古いものを新しくする」という新陳代謝は、言い換えれば、人間の持つ「環境に対する適応力」そのものです。例えば激しい運動を続けていると、次第にその激しい運動に耐える事ができるような体に変化していきます。筋肉がついたり、骨や皮膚が固くなったりする訳です。何故そのような事が起こるのかというと、そうしなければ、その激しい運動に耐えられず、体が壊れてしまうからです。

骨端線へ与える刺激は、強いほど良いと考える人もいるかも知れません。しかし運動による骨端線への刺激が強すぎると、そのような環境への適応力により、骨が伸びるよりも前に硬くする方向へ行ってしまう可能性があります。成長期の骨は柔らかいからこそ、伸びる余地があるので、硬くなってしまうと身長の伸びが悪くなる可能性があります。

また一定期間は「適度な刺激」であっても、その刺激を続けていれば、やはり適応力によって骨が刺激に慣れてしまいます。するといずれは「適度な刺激」にはならなくなり、骨端線への刺激が足りなくなってしまいます。よって骨端線への刺激は、最初から強いものを与えるのではなく、最初は小さなものから始めて、慣れと共に、少しずつ大きくしていくという事が重要になるでしょう。それが「常に適度な刺激」になるのです。



骨端線は壊れる事がある

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注意すべきなのは、繰り返しになりますが、成長線は「軟骨組織」だという事です。軟骨組織は通常の硬い骨と比べ、衝撃を吸収する柔軟性、衝撃を跳ね返す弾力性があります。しかし運動の激しさによっては、その衝撃に耐え切れず壊れてしまう事があります。また例え軽い運動であっても「同じ動作を繰り返し行う」事では、骨端線付近に疲労やストレスが集中し、それによっても壊れてしまう場合があります。骨端線は柔らかく「伸びる余地」がある分、非常にデリケートなのです。参考記事→骨端線について

特に、これは見逃される事が多いのですが、成長期の子どもが骨折をした際、通常の硬い骨よりも脆い骨端線の部分から骨が折れてしまう事があります。そうして骨端線が壊れると、全てがそういう訳ではありませんが、新しい骨を正常に作り出す事ができなくなり、身長の伸びに悪影響を及ぼす場合があります。また珍しいケースでは「壊れた部分では骨が正常に作られず、壊れていない部分では正常に骨が作られる」という事が起こる事もあり、その場合、成長過程において骨が曲がって伸びてしまう事もあるようです。そうなると症状によっては早期に手術しなければなりません。

前述のように身長を伸ばすためには運動を行う事は必須です。しかし「身長を伸ばしたい」という一心で、ただ闇雲に激しい運動を行えば良いという訳ではありません。何事もやり過ぎは逆効果になります。身長を伸ばすためには、いきなり激しい運動をするのではなく、長期的かつ計画的に、少しずつステップアップしていくように運動習慣を考える必要があります。



運動の強度を少しずつ上げていくには?

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ありがちなのが、自分の子どもに運動をさせようと「スポーツクラブに入れる事」です。確かにスポーツクラブに所属する事では、運動の機会・頻度は以前よりも格段に増えるでしょう。しかし前述したようにいきなり激しい運動を行うと、その激しい運動に対して体が早々に慣れてしまい、身長の伸びには逆効果になります。もちろん例え激しい運動であっても、睡眠、栄養、ストレスコントロールなどが確保できていればそれに越した事はないのですが、元々体が小さい子などでは、運動量に比べて食事量や睡眠量などが追いつかず、運動をする事自体が、身長が伸びない原因にもなりかねません。

例えば野球で言えば「単にボールを拾って返すだけのボール拾い」と「全力ダッシュを数十本」では、後者の方が確実に運動の強度(激しさ)は高いですよね。運動をする場合、いきなり後者のような全力運動から行いがちなのですが、そうではなく「運動の強度を少しずつ上げていく」ようにします。それが身長を伸ばすための鍵になります。

最初は体慣らしの運動やストレッチなどから始め、徐々にボール拾いやキャッチボールをするようにし、そこからダッシュやベースランニングなどをしていって、最終的に全身運動、全力での運動という感じで行き着くようにします。そうして段階的に新しい事を追加していく事では、体だけでなく脳にとっても良い刺激になり、スポーツに関する技術を順に覚えていく事もできます。誰かに急かされるのではなく、自分のペースで運動をする事ができるので、スポーツ・運動が嫌いになるという事も減ると思います。長期の運動計画ですから、そういったモチベーションの維持も重要です。

もちろん「身長を伸ばす」という点で言えば、素振りやバッティング練習などの「その場でほぼ動かずに行う運動」は骨への刺激は弱いですから、いずれは走ったりジャンプしたりなど全身を使う運動、特に足の骨に体重がかかるような運動を行う必要はあるでしょうが、少なくともそれを本格的に行うのは思春期前後になってからでも遅くはありません。


もし今後、自分の子どもをどこかのクラブチームに入れる予定があるのであれば、いきなりクラブチームに入れさせるのではなく、その前々から少しずつ運動の強度を上げていくようにしましょう。でないとクラブチームに入った際、いきなり自分の体に合わないような激しい運動をさせられる事になります。特にそこでたまたま「短期的にはその運動を耐えきる体力があった」場合、体が急激にその激しい運動に適応しようとします。そして一度その激しい運動に体が慣れると、それよりも激しい運動でなければ「適度な刺激」にならなくなります。「才能がない」「気合が足りない」「一つの事をやり遂げる」「一度始めたら諦めない」などと言って、無理やりにでも続けさせようとする事も多いので、それが身長の伸びに悪影響を与える可能性もあります。その点は注意すべきです。

またクラブチームに入ると、どうしても一つのスポーツに専念してしまうと思います。しかし身長を伸ばすためには、野球だけでなくバスケットボールやサッカーなど、多種多様なスポーツも行った方が効果的です。何故なら様々な運動を行う方が脳や体が飽きず、それが新しい刺激にもなるからです。一つの種目に絞るのではなく、日々新しい事に挑戦しましょう。一つの種目に絞るのは後で良いのです。その意味でも、スポーツクラブにいきなり入れる事は避けた方が良いかもしれません。まぁそのスポーツクラブに、そういった配慮のできる優秀な指導者がいれば別ですけどね(実績がある事=優秀な指導者とは限らない・・・)。



身長の伸びが止まるまで運動を続けるためには?

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身長を伸ばすためには、そのような運動習慣を、少なくとも「身長の伸びが終わるまで」続ける必要があります。これは10年以上という非常に長い期間になるのでピンと来ないかもしれませんが、「運動」という言葉に対する考え方を変えれば、続ける事はそう難しくありません。

例えば野球もサッカーもバレーもバスケも「体を動かす事=運動」であるように、鬼ごっこ、ドロケイ、縄跳び、一輪車、ドッジボールなども運動の一員です。更に言えばその場で行うストレッチだって、簡単なラジオ体操だって、筋肉を解すための立派な「運動」なのです。参考記事→骨へ新鮮な刺激を与える

一つの種目だけで運動の強度を上げていくのは、そのスポーツを知らないとなかなか難しいですが、このように色んな体を動かす事を「運動」と考えれば、選ぶ事のできる運動はたくさんあるのです。また最初は親や兄弟と、その後は友達同士で、更にその後は選手同士で、というように長期間であれば、一緒に行う相手も変わっていくはずで、同じ種目でも、楽しみ方やプレイの仕方は変わっていくと思います。誰かと一緒に楽しめば、意識などせずとも運動は自然と続ける事ができます。部活動に入ったり、一度スポーツクラブに入ったりすると、一緒にプレーする仲間は一定期間固定化されます。その意味では、時には環境を変える勇気も必要かもしれません。



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